東日本大震災の津波で被災した宮城県女川町にある「旧女川交番」が震災遺構として整備され、29日、工事の完成を記念する式典が開かれました。
震災の津波で横倒しになった宮城県女川町の「旧女川交番」は、津波の威力のすさまじさを後世に伝える「震災遺構」として整備が進められてきました。
この工事が震災から9年を前に完了し、29日開かれた記念の式典では、出席者が全員で黙とうをささげ犠牲者を悼みました。
震災遺構として整備された「旧女川交番」の周辺はおよそ5メートルの高さまで盛り土された広場となっていますが、津波で横倒しとなった鉄筋コンクリート造り2階建ての「交番」は、そのままの状態で保存されています。
また、近くには復興に向けたこれまでの歩みなどをまとめた写真やパネルも設置されています。
中学生の時に保存を求めて活動した勝又愛梨さんは(21)「原爆ドームのように保存して100年後も震災のことを伝えるようにしたいです。実際に来て見てもらい、津波の恐ろしさを感じてほしい」と話していました。
また、女川町の須田善明町長は「震災遺構として、あの日の津波の威力、そこから立ち上がった町の姿を伝えていきたい」と話していました。