円相場 最も値動きが小さい1年に | 親父と息子の口喧嘩

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円相場 最も値動きが小さい1年に

30日の東京外国為替市場、円相場はいくぶん値上がりしました。

午後5時時点の円相場は、先週末と比べて36銭、円高ドル安の1ドル=109円14銭から15銭でした。

ユーロに対しては、先週末と比べて32銭、円安ユーロ高の1ユーロ=122円18銭から22銭でした。

ユーロは、ドルに対して、1ユーロ=1.1195から96ドルでした。

市場関係者は、「年末休みで日本企業の取り引きが少ない中、一部の投資家の間で通貨の保有量を調整するため手持ちのドルを売る動きが出た。ことし1年間、円相場は主にアメリカと中国の貿易交渉の行方に左右されてきた。来年はアメリカの大統領選挙や米中の交渉の動向に投資家の関心が集まりそうだ」と話しています。

変動幅最小の1年

ことしの円相場は、1ドル104円台から112円台で取り引きされました。年間を通した値動きの幅は8円余りで、1973年に変動相場制になってからもっとも値動きが小さい1年でした。

ことしの外国為替市場は、年始めに急激な円高に見舞われました。

1月2日にアメリカのアップルが業績を下方修正したのをきっかけに、ドルが売られて、3日に1ドル=104円10銭まで円高が進み、ことし1年間の最高値をつけました。

その後の円相場は、アメリカと中国の貿易摩擦の動きに左右され、米中の交渉進展を期待して春になるとドルが買われ、4月24日にことしの最安値となる1ドル=112円40銭をつけました。

その後アメリカのトランプ大統領が、中国に対して追加の関税をかけると表明した場面ではドルが売られ、8月下旬には再び104円台まで円高が進みました。その後、アメリカと中国の交渉の進展に合わせてドルが買われ、30日の午後5時時点の円相場は、1ドル=109円14銭から15銭でした。

結局、ことしの円相場は1ドル104円台から112円台で取り引きされ、1年間の値動きの幅は8円30銭でした。

去年の9円99銭よりも値動きは小さく、1973年に変動相場制となって以降、もっとも値動きが小さい一年になりました。一方、ユーロに対しては、115円台から127円台で取り引きされ、値動きは11円余りでした。

来年 米中貿易交渉や米大統領選の行方が取引材料か

円相場の値動きが小さくなったことについて三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「ここ最近、日本企業は海外で稼いだお金をそのまま海外で投資し、外貨を円に換えなくなっている。このため円相場が動きにくくなっている。こうした構造的な要因もあってドルやユーロに対する円の値動きが小さい傾向は今後も続くだろう」と話しています。

一方、来年の円相場について、基本的には日本やアメリカなどの金融政策、それに景気の行方に沿って動くと見ています。

そのうえで市川シニアストラテジストは「特にアメリカと中国の貿易交渉やアメリカの大統領選挙の行方が取り引きの材料となるとみている。投資家の多くはアメリカの景気は底堅いとみているため、来年は、ややドルが買われやすい展開になるのではないか」と話しています。