来月の台湾の総統選挙に向けて、各候補は18日夜、テレビでそろって演説し、再選を目指す蔡英文総統は、「中国は台湾社会に入り込み、影響力を拡大している」と述べ、中国からの介入を防ぐための法整備の必要性を訴えました。
来月11日に行われる台湾の総統選挙には与党・民進党の蔡総統が再選を目指しているほか、最大野党・国民党からは高雄市長の韓国瑜氏、それに少数野党、親民党トップの宋楚瑜氏が立候補していて、18日夜は3人の候補がそろって演説する1回目の政見発表会がテレビで中継されました。
このうち中国と距離を保つ蔡総統は「中国は台湾社会に入り込み、分裂させていて、偽の情報を拡散するなど台湾社会への影響力を拡大している」と述べ、中国からの介入を防ぐために法整備が必要だと訴えました。
一方、中国に融和的な立場を取る国民党の韓氏は「われわれの最大の利益は台湾が安全で人々にお金があることだ。台湾を危険にし、人々を貧しくすることではないはずだ」と述べ、政権交代を実現することで、蔡政権が距離を置く中国との関係を改善したいという考えを示しました。
最新の世論調査では蔡氏が他の候補を大きくリードしていて、台湾の人々の間で強まる中国への警戒感が蔡総統にとって追い風となっています。