熊本県天草市の漁港で、漁船から覚醒剤およそ600キロ、末端の密売価格で360億円相当が押収され、警察などは台湾出身の男など11人を逮捕しました。
11日午後、熊本県天草市の魚貫港に停泊していた漁船を、警察や海上保安部などが調べたところ、船内から袋に入れられた大量の覚醒剤が見つかりました。
押収された覚醒剤は、およそ600キロ、末端の密売価格にして360億円に上り、財務省によりますと、国内で1度に押収された覚醒剤としては過去2番目に多いとみられるということです。
警察は営利目的で覚醒剤を所持したなどとして、漁船に乗っていた台湾出身の洪福財容疑者(68)ら3人を、また密輸しようと準備をしたとして東京都北区の会社員、五十嵐大容疑者(54)ら8人を、それぞれ逮捕しました。
警察は捜査に支障があるとして認否を明らかにしていません。
警察などは「覚醒剤の密輸がある」という情報提供を受けて、港の周辺を警戒していたということです。
逮捕された中には、漁船の提供などを行っていた男もいるということで、警察は国際的な密売グループがかかわっているとみて捜査しています。
大量の覚醒剤が押収された現場となった、天草市魚貫町の近くに住む女性が11日昼すぎに撮影した写真です。青いシートの上に白い粉が入った袋のようなものがたくさん並べられている様子が写っています。女性は「袋は船から取り出され、シートの上に運ばれたあと、車に載せられた」と話していました。