政府は28日夕方、北朝鮮から弾道ミサイルとみられるものが発射されたと発表しました。日本の領域には飛来せず、EEZ=排他的経済水域にも落下しないと推定されるということで、政府は詳しい分析を行っています。
そのうえで、「昨今の北朝鮮による弾道ミサイルなどのたび重なる発射は、わが国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題だ。国民の生命・財産を守り抜くため、引き続き、情報の収集・分析、警戒監視に全力をあげていく」としています。
防衛省によりますと、28日、北朝鮮から弾道ミサイルとみられるものが発射されたということです。
防衛省は「わが国の領域には飛来せず、排他的経済水域にも落下しないものと推定される」としています。
そのうえで、「北朝鮮による弾道ミサイルのたび重なる発射は、わが国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題で、情報の収集・分析と警戒監視に全力をあげていく」としています。
北朝鮮が弾道ミサイルとみられるものを発射したことを受けて、政府は、午後6時前からおよそ10分間、総理大臣官邸で、安倍総理大臣をはじめ、茂木外務大臣、河野防衛大臣ら関係閣僚が出席し、NSC=国家安全保障会議の閣僚会合を開きました。
これまでの情報を分析するとともに、今後の対応などを協議したものとみられます。
北朝鮮が弾道ミサイルとみられるものを発射したことを受けて、安倍総理大臣は、たび重なる弾道ミサイルの発射は国際社会への深刻な挑戦だとして、警戒監視などに全力であたる考えを示しました。
北朝鮮が弾道ミサイルとみられるものを発射したことを受けて、政府は、午後6時前からおよそ10分間、総理大臣官邸で、NSC=国家安全保障会議の閣僚会合を開き、対応を協議しました。
安倍総理大臣は、このあと午後6時すぎ、記者団に対し、「わが国の領域やEEZ内への落下は確認されていないが、北朝鮮のたび重なる弾道ミサイルの発射は、わが国のみならず、国際社会に対する深刻な挑戦だ。引き続き米国や韓国など、国際社会と連携しながら、国民の生命・財産を守り抜くため、警戒監視等に全力をあげていく」と述べました。
河野防衛大臣は午後6時半ごろ、防衛省で記者団に対し、北朝鮮が午後4時58分ごろ、東岸から弾道ミサイル2発を発射し、それぞれ、高度およそ100キロ、距離にしておよそ380キロ飛しょうして、日本海に落下したと推定されることを明らかにしました。
また2発とも、日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したとみられ、日本の船舶や航空機への被害は確認されていないということです。
外務省幹部は28日午後6時すぎ、記者団に対し、「今回の弾道ミサイルの発射は、一連の国連安保理決議に違反するものであり、極めて遺憾だ」として、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議を行ったことを明らかにしました。
北朝鮮はことし5月から短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。
5月4日には東部ウォンサン(元山)付近から、日本海に向けて2発発射したあと、5日後の5月9日にも北西部から2発発射し、防衛省はいずれも短距離弾道ミサイルと分析しています。
その後、7月から8月にかけても東部や南西部などから短距離弾道ミサイルなどを相次いで発射し、9月10日には西部のピョンアン(平安)南道から短距離弾道ミサイルを発射しています。
さらに先月2日には、東部ウォンサン沖から弾道ミサイルを発射して日本のEEZ=排他的経済水域内に落下し、翌日、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイル、「北極星3型」の発射実験に成功したと発表しました。
そして、先月31日には、それまでのように午前中ではなく、夕方の時間帯に西部から短距離弾道ミサイルとみられる飛しょう体を発射しました。