アメリカのポンペイオ国務長官は、NATO=北大西洋条約機構の本部で記者会見し、中国共産党の脅威に対抗するため、自由と民主主義の価値観を共有するNATOの国々が結束すべきだと強調しました。
アメリカのポンペイオ国務長官は20日、ベルギーの首都ブリュッセルにあるNATO本部で開かれた外相会議に出席したあと記者会見しました。
この中でポンペイオ長官は「われわれNATOの加盟国は、中国共産党による今の脅威と潜在的で長期的な脅威に取り組まなければならない」と述べ、中国の脅威を指摘しました。
そのうえで「NATOは70年前、自由と民主主義のために創設された。中国共産党との根本的な信条の違いを無視するわけにはいかない」と述べ、自由と民主主義の価値観を共有するNATOの国々は結束すべきだと強調しました。
アメリカ政府は、次世代の通信規格=5Gの整備をめぐって、中国の通信機器大手ファーウェイの製品を排除するようNATOの国々に求めていて、ポンペイオ長官としては、中国の脅威を改めて指摘することで、5Gの整備でも同盟国の足並みをそろえたいねらいがあるとみられます。
ただ、トランプ大統領はNATOの同盟国に対して国防費で相応の負担をしていないと批判し、去年の首脳会議では亀裂が表面化していて、来月開かれる首脳会議でも加盟国の結束が再び問われることになりそうです。