台風15号による大規模な停電が起きている千葉県市原市で、今月11日、多くの中学校が休校となる中、部活動の大会が実施され、熱中症で生徒2人が搬送されていたことが分かりました。自宅が停電中の生徒も含まれていたほか、台風の影響で救急車の到着も遅れたということで、主催した教育委員会は「実施の判断は妥当だと考えるが、搬送者が出たことは申し訳ない」と話しています。
千葉県市原市は、台風15号の影響で最大6万5000戸余りが停電し、今も1万戸以上が復旧しないままです。
市内の多くの中学校は、休校や授業を短縮する措置がとられましたが、そのさなかの11日、市内の競技場で陸上の県大会の予選会が開かれ、延べ500人余りの参加者のうち、生徒2人が熱中症の疑いで病院に搬送されていたことが、教育委員会などへの取材で分かりました。
このうち1人は自宅が停電中で、救急車も台風の影響で市外から呼んだため、到着に時間がかかりましたが、大事には至らなかったということです。
主催した市原市教育委員会は「前日に体育連盟から実施の可否を相談されたが、来月に本大会があり開催した。競技時間を短縮するなど配慮し、実施の判断は妥当だと考えるが搬送者が出たのは申し訳ない」と話しています。
災害時の部活動の大会運営について、スポーツ庁は「明確な決まりはなく、現場の判断に任せている」としていますが、部活動の実態などに詳しい学習院大学の長沼豊教授は「停電などで日常生活が送れていない中、大会を実施したことに驚いた。延期が難しい事情も分かるが、生徒は学校を代表する気持ちで一生懸命頑張ってしまう。教育現場は、生徒の体調面などをもっと考えるべきだ」と話していました。