香港で抗議活動の長期化など、政情不安が続いていることを受けて、大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは、香港の外貨建て債券の信用度を示す格付けを、これまでの「AA+」から1段階引き下げました。
香港では、抗議活動の発端となった、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案の撤回が発表されましたが、市民による抗議活動が続いていて、混乱が収束するのか、依然として不透明な情勢です。
これを受けて、大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは、香港の外貨建て債券の信用度を示す格付けを、上から2番目の「AA+」から「AA」へと1段階引き下げました。
この理由についてフィッチは、香港の統治システムや、法の支配への信頼が損なわれ、ビジネス環境の安定にも疑問が持たれていること、などをあげています。
混乱が続く香港では、現地を訪れる旅行者が減って、観光産業などへの影響が出始めているうえ、こうした状況が続けば、アジアの金融の中心地としての、香港の役割が低下することを懸念する声も出ています。