マクロン大統領 単独インタ詳報「米中緊張 マイナスは日欧に」 | 親父と息子の口喧嘩

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ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

マクロン大統領 単独インタ詳報「米中緊張 マイナスは日欧に」
 

【Q1】
G20は国際協調の枠組みとしては、求心力を失っているという指摘もあります。マクロン大統領は、今回のG20サミットで何を期待し、何をめざしているのでしょうか?。

 
G20の実行力を新たに示す必要

今回のG20サミットは、国際情勢が大きく動く中で開かれます。それだけに、G20の実行力を新たに示す必要があります。市民にとって有益であると示さなくてはなりません。

G20は2008年、2010年の金融危機の時に刷新されました。主要な20か国が共通で解決策を探りました。ただ、ここ数年そのありかたが問われています。

緊迫した情勢を傍観しているだけでは意味がありません。G20が世界情勢の変化に向き合い、責任を持てば、有益なものとなるでしょう。

アメリカと中国の間では、貿易面で、緊張がかつてないほど高まっています。マイナスの影響をもっとも受けているのが、日本とヨーロッパです。

私は、経済面でより広い合意や多国間主義を目指したいと考えています。貿易戦争をやめ、保護主義をやめ、緊張関係を解決することが必要です。誰にとってもマイナスの影響となるのです。プロセスを改革し、各国の知的財産を保護しながら、不均衡に対応しなくてはなりません。開かれた国際協調を重視した貿易を目指すべきなのです。

安全保障の分野では、特にアメリカとイランの対立がエスカレートし、かつてないレベルにまで緊張が高まっています。北朝鮮問題にも対応しなくてはなりません。G20には、アメリカ、中国、ロシア、フランス、そして、ヨーロッパの各国も参加します。国連安全保障理事会の常任理事国や経済大国も参加します。イランとの関係をこれ以上エスカレートさせないよう、そして、朝鮮半島の安全を確保できるよう努力を続ける必要があります。

加速する気候変動への取り組みも重要です。われわれは、地球温暖化対策や生物多様性の課題に取り組んでいますが、これらの課題は今までになく深刻化してます。今回のG20サミットで、実効性のある答えを示すことができなければ、当然、G20自体の存在に疑問が持たれるでしょう。

アメリカは(地球温暖化対策の国際的な枠組みので)パリ協定に反対しています。しかし、アメリカ以外の19か国でパリ協定を維持しなくてはいけません。

さらに、デジタル化についても、話し合う必要があります。個人情報を保護しつつ、世界のどこにおいても、より速いやり取りを行うことが求められています。EUも日本も取り組んでいますが、デジタル化に関しては、簡素化とスピードの向上が求められています。

ただ、個人情報の保護やテロリストによる悪用にどう対応するかなど、課題があります。今回のG20サミットは、こうした山積する課題に対し、できる限り具体的な対策を提示する場にすべきだと考えています。合意できない点に関しては、より広い解決策をとる必要があります。

【Q2】
今年は、ベルリンの壁が崩壊してから30年となります。世界をみると、アメリカ、そしてヨーロッパのあちこちで自国第一主義がまん延しているように思えます。国際的な協調の重要性を訴えるマクロン大統領としては、これからどのようなリーダーシップを発揮したいと考えているでしょうか?。

大国として存在感を示すヨーロッパが必要

30年前、ベルリンの壁が崩壊した当時は、歴史は終わり、民主主義と平和が進行、拡大すると言われていました。しかし、私たちが生きる今の世界はその反対です。現在、かつてないほど地政学上の不確実性があり、世界の争いは頂点に達しています。

ヨーロッパの各地でナショナリズムが台頭し、民主主義が危機にさらされています。今日、私たちはこれまでの歴史の中で、かつてないほど強いヨーロッパ連合が必要です。強いヨーロッパ連合とは何か、答えをもたらすのはナショナリズムではなく、私たちです。成長や福利厚生をもたらすヨーロッパです。

ヨーロッパは大規模な投資政策を必要としています。農業だけでなく、産業分野での野心的な政策が必要です。AIやデジタル分野での大規模な投資、共通の市場を作り、ヨーロッパ内に最大限の雇用を創出することが必要です。

ヨーロッパ域内に雇用を創出し、若者が仕事を持ち、展望を持ち、より良い暮らしをすることができれば、ナショナリズムはなくなり、分裂は小さくなるでしょう。強いヨーロッパは国際社会の中でわたりあっていくためにも必要です。

われわれは、デジタル分野での大国であり、投資、防衛、AIの分野で、複数のパートナーシップを持っています。個人のデータを保護するための規則も備えています。私たちは世界に誇る軍を備え、共に進んでいきます。自衛のため、そして同盟国を防衛するためです。

強いヨーロッパであるということは、大きな紛争の中でも一つの声で発言できるということでもあります。さらに、フランスのような国連安保理の常任理事国を通じて、信頼性と協調性のある声を届けることができます。移民危機の問題や、気候変動の問題に対して答えることもできます。市民の問題に具体的な答えをもたらすことができるのです。

雇用を創出し、不平等の問題に取り組み、世界と協調しながら、経済、デジタル、軍事、もちろん気候変動の分野で大国として存在感を示すヨーロッパが必要なのです。現在の世界の情勢に対応するには、こうした野心を持って、具体的な結果を得ることが必要です。

私はすべてのエネルギーを注ぎ、成果を得るためにパートナーを説得しようとしています。私たちはすでに始めています。この2年間でかなり前進したと思います。ヨーロッパ議会選挙が終わり、今後5年間で、この方向で進んでいくと考えています。

【Q3】
日産とルノーの今後については、どのように考えているのでしょうか?。

日産 ルノーの提携関係持続 一層の統合望む

今後、両社がさらに統合を進めていくべきだと考えています。かつて、日産が大きな危機を迎えた時に、ルノーが日産に接近し40%以上の株式を取得しました。合意がなされ、1つのパートナーシップ、提携関係の枠組みができました。相互の株の持ち合いがあり、ルノーが日産の大株主、日産もルノーの株を持ちました。お互いの異なる文化を尊重しながらここまできて、まず日産が大きな再建を成し遂げました。

忘れてならないのは、カルロス・ゴーン元会長は当時、日産にとってよい経営者でした。両社が接近したことで、さまざまな相乗効果が生まれました。ルノー、日産双方が国際的な競争力をもつことができたのです。競合企業に買収されることなく、互いの市場を世界で分け合う知的なやり方でした。

カルロス・ゴーン元会長については、現在、日本で司法手続きが進められています。もちろん私は日本の司法手続きを尊重します。安倍総理大臣にも何度も申し上げましたが、ゴーン元会長の権利がこの手続きにおいて尊重されることを願っています。

今後、さまざまなことが明らかになると思います。ルノーもまた監査を依頼していて、今後評価がなされるでしょう。そうした人々の向こうには、企業、従業員、そして私たちの国があります。私はルノーと日産のすべての従業員のことを思っています。彼らは、数十年前から提携関係を持つという冒険に乗り出し、それを信じているのです。私もその関係を信じています。

電気自動車、自動運転の分野で成功したいと望むならば、一緒でなければできないのです。ルノーの株主として、フランス政府は、提携関係がより一層強化され、共通のプロジェクトや相乗効果を生み出すことを期待しています。

ルノー、日産の世界中の労働者、工場で粛々と仕事ができること、より多くの共通のプロジェクトを持つこと、世界で最も優れた、消費者のニーズに応える車をつくること、電気自動車の市場で勝利すること、そして世界をリードすることを期待しているのです。

私は日本とフランスの友好関係に加え、日産とルノーの提携関係の持続、そして両社がより一層、統合を進めることを望んでいます。