NHK NEWS WEB 2019年4月10日 21時15分
桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣は、岩手県出身で自民党の高橋比奈子衆議院議員のパーティーで、「復興以上に大事なのが高橋議員だ」と述べました。桜田大臣は、「被災者の気持ちを傷つけた責任を取りたい」として、安倍総理大臣に辞表を提出し、受理されました。
桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣は、10日午後7時前、東京都内で、衆議院比例代表東北ブロック選出で、岩手県出身の自民党の高橋比奈子議員のパーティーに出席し、「復興以上に大事なのが高橋さんだ」などと述べました。
この発言を受け、桜田大臣は、10日午後8時半すぎに総理大臣官邸を訪れて東日本大震災の被災者を傷つける発言で、責任をとりたいとして、安倍総理大臣に辞表を提出し、受理されました。
桜田氏は衆議院千葉8区選出の当選7回で、69歳。千葉県議会議員などを経て、平成8年の衆議院選挙で初当選しました。
内閣府副大臣や文部科学副大臣などを歴任し、去年10月に発足した第4次安倍改造内閣で、初めて入閣しました。
しかし、就任以来、国会での発言を撤回したり、委員会に遅刻したりするなど、野党側から相次いで批判を受けていました。
先月も、地元の会合で、東日本大震災の被害について、「国道交通網と高速道路が健全に動いていた」と述べ、事実と異なっていたとして、国会で陳謝し発言を撤回しました。
首相「発言を深くおわび」
安倍総理大臣は、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し、「さきほど桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣から、『被災者の皆さんの気持ちを傷つけた。辞任したい』と申し出があり、受理した。被災地の皆様のお気持ちに寄り添いながら復興に全力を傾けるのは安倍政権としての揺るぎない方針だ。被災地の皆様に対し、総理大臣として発言を深くおわび申し上げる」と述べました。
安倍総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し、「任命責任はもとより内閣総理大臣たる私にある。こうした事態に立ったことにつきまして、国民の皆様におわびを申し上げるしだいだ。後任については、行政に遅滞をもたらすことがないように、速やかに決定したいと考えている。そして、すべての大臣が復興大臣であるとの認識を再確認し、今後も東北の復興に全力を傾けていきたい」と述べました。