親父「中国中央テレビと朝鮮中央通信が28日に報じた習近平との会談のやり取りからは、金正恩が訪中に踏み切った微妙な心境が浮かぶ。
『初の外国訪問が中国の首都となったのは当然で、(訪中は)朝中親善を引き継ぐ私の崇高な義務だ』
金は26日の夕食会でこう強調した。会談でも習に朝鮮半島情勢の急速な変化を挙げ、『私が遅滞なく習同志に状況を報告するのは当然だ』と言ってのけた(産経ニュ-ス2018.3.29 00:52更新)。」
親父「その言葉とは裏腹に中国のテレビは、習と握手する際のぎこちない笑顔を映し出した。習が発言する間、金が真剣にメモを取る姿もクローズアップした。
北朝鮮メディアが、訪朝した韓国特使団が金の言葉を必死にメモする様子を強調して報じたのとは対照的に屈辱的場面ともいえた(同上)。」
親父「『中国は千年の宿敵だ』。
米政府系メディアによると、昨年12月、北朝鮮国内の講習会で幹部がこう中国への警戒を訴えた。中朝関係者によると、中国と密な関係にあった叔父の張成沢(チャン・ソンテク)を処刑したのも、異母兄の金正男(キム・ジョンナム)を暗殺したとされるのも親中派への見せしめの側面があったという。こうした“脱中国”路線から急旋回したことになる。
制裁の打撃を免れるには中国に歩み寄るほかなかった事情が指摘されるが、それだけではないようだ(同上)。」
親父「中国共産党関係者によると、金の訪中に向けた動きが具体化したのは今月に入ってからだという。
会談で金は『電撃的な訪問提案』を習が快諾したことに謝意を示した。
金の動静報道は6日以降、途絶えた。『核は宝剣だ』と強調する労働新聞の記事も7日を最後に途切れる。
8日には、金の非核化意思の表明と会談要請に対し、米大統領のトランプが5月までの会談を承諾した。一連の動きは軌を一にしていることが分かる(同上)。」
親父「南北対話とは異なり、習との会談は、予想外に早いトランプとの会談に備え、急遽、準備した可能性がある。
北朝鮮メディアは、金が非核化意思を示したことに一切、触れていない。
国民生活を犠牲に推し進めてきた核開発の看板を引き下ろす国内向けの論拠が整っていないことを物語る(同上)。」
親父「首脳会談に応じても米国が求めるのは『完全な核廃棄』だ。
軍事オプションを取り下げたわけでもない。
金は、米韓が『善意でわれわれの努力に応え、段階的で歩調を合わせた措置をとるなら、非核化問題は解決できる』とし、習に意思疎通の強化や対話の擁護を要請した。
北朝鮮ペースでなければ、非核化に応じないとの表明といえ、前提は韓国特使にも訴えた『体制の安全の保証』だ。生き残りを懸け、中国を最大の擁護者とするため、『宿敵』に膝を屈して取り入った覚悟がにじむ(同上)。」