親父「海外の治安が悪化した地域で自衛隊が日本人を助け出すことを想定した訓練が19日、タイで行われたそうだ(NHK NEWS WEB2月19日 17時14分)。
これは安全保障関連法で可能となった任務で、海外で行われるのは初めてだ。
訓練は、多国間共同演習「コブラ・ゴールド」の一環としてタイ東部で行われ、陸上自衛隊の隊員などおよそ100人が参加したそうだ。
いわゆる『駆け付け警護』の訓練が行われたわけだ。
このような任務の際の自衛隊の武器使用が認められる範囲が拡大されたのは結構なことだが、武器の使用は、自分を守る場合や、救出する日本人や一緒にいる外国人を守る場合、それに妨害してきた相手を排除する場合に認められる、とやたら制限が細かすぎるな。
隊員の方々のご苦労が察せられるな。」
息子 「巷間言われる『ポジティブリスト』というやつだな。
これとこれはやってもよい、などと『原則として禁止されている中で、例外として許されるものを列挙した表』のことだね。
軍隊のルールとしては、あり得ないシステムだ。
いちいち、この行動はリストに入っているだろうか、と調べている暇などないからね。
しかし、このコブラゴールド。29ヶ国が参加する大規模なものだけども、シナ共産党国家も参加している。
素人としては、手の内を見せることになるのか、演習を見せつけることで牽制になるのか、どちらになるのか心配でもあるな。」
親父「訓練は、海外で災害が起きたあと治安が悪化したため、現地の日本人を国外に退避させるという想定で行われたそうだ(同上)。
日本人が集まる場所に小銃を持った自衛隊員が装甲車などで駆けつけ、一緒にいたアメリカ人を含め輸送を開始し始めたところ、小銃などを持った集団が道路を封鎖して通行料を求めてきたため、隊員たちは小銃を上空に向けた状態で、『道路封鎖は違法行為だ。従わない場合、実力を行使する』とタイ語を交えて警告し、移動させたそうだ。
この『隊員たちは小銃を上空に向けた状態』というのが苦しいところだな。
こんな姿勢で実戦に臨めるはずがない。
銃口は当初から『暴徒』へ向けられているべきだ。
相手から射たれてから、初めて撃ち返すでは、自衛隊側は死傷者続出の惨状を呈するだろうな。」
親父「全ては、『平和憲法』による足枷の所為だ。
『武力の行使』にならないようにとの気遣いが、自衛隊が任務を遂行する条件として、受け入れ国が任務に同意していることや、現地政府が治安維持に当たり、戦闘行為が行われることがないと認められることなどを押し付けることになるのだ。」
息子 「平和憲法の足枷ねぇ。
この話は何度かここでもしていると思うが、海外に居る日本人、つまり外国の主権下にある領域に出ている他の国の人間を、他国が武力で威嚇したり武力を行使したりということは、許されるのだろうかね。
なんでも現状の憲法のせいにする向きもあるが、こは別の話じゃないかな。
そして、受け入れ国の同意が必要なのは当たり前だろう。
東日本大震災のような緊急時も、米軍が日本政府の同意もないのに、米国民の保護が優先だと堂々と活動されては困る。
もし外国人が人質に取られる事件(テロ)が起こったとしても、各国の軍隊が日本に勝手にやって来てよいだろうか。
親父も知る通り、歴史を振り返ると、多くの戦争が外国(他の主権国家のテリトリー)における、自国民の保護を目的とした派兵によって起こってきた。
これは、憲法9条とは切り離して考える必要がある。
日本から出て他の主権国家のテリトリーに入った日本人について、日本政府は自衛隊に命じて、彼らの命を賭して、その日本人を保護する義務があるのか。そうでないのか。ということを議論しないといけない。
当然だけども、日本国内においては、国家は自国民の生命と財産を命を懸けて護る義務がある。これは言うまでもない。」
親父「各国の政府は、その国に在住する外国人の人身及び財産を保護する一般的義務
を負っているのだよ。
ところが、PKOの派遣を要請するような国の政府には、もはやそのような能力が残っているか疑問だ。
だから、駆け付け警護が必要になるのだ。
もっとも、事前に当該国政府の了解を得ることは必要だとは思う。
PKOに参加する各国軍が、他国のPKO部隊と共同防衛活動をしたり、たまたま近辺で難儀をしている自国民や他国の市民の保護に当たるのは軍隊としての当然の任務じゃないか。
何も大袈裟に『駆け付け警護』と騒ぎたてるほどのことではないさ。
それを憲法を盾にして、大騒ぎする連中の気が知れない。
だから、私が平和憲法が足枷となっていると言ったのは、憲法が奴さんたちの言葉遊びのバイブルと化しているからだよ。」