親父と息子の口喧嘩(釣ったシャープに餌はやらない?) | 親父と息子の口喧嘩

親父と息子の口喧嘩

ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

親父「とうとう辣腕会長が本性をむき出しにしたな。

『台湾・鴻海の郭台銘会長(英語名=テリー・ゴウ)がついに本性をあらわし、シャープの買収が承認された鴻海の株主総会で『飼い主を代えても悪い卵しか産まない鳥はいらない』と人員削減に踏み込むと宣言したのだそうだ(産経WEST2016.7.24 06:00更新 )

これまでは、シャープ側の心情に配慮した言動が目立っていたんだけど、一旦釣り上げてしまえば、もう遠慮はいらないよね。

鴻海の欲しかったのは一部の技術者だけで、一般社員などはお荷物になるだけだものね。

冷たいもんだね。」

 

息子 「この話については、本当に悲しいね。ライオンの檻に自ら入っていく同朋を止められなかった気持ちだね。結果は、やはりズタズタにされるようだ。

 

この件については、シャープへの出資銀行、特にみずほ銀行が「(身売りするのは)鴻海でなければ支援を打ち切る」とシャープに対して決断を迫ったという話があるね。

 

もしこれが本当だとすると、シャープをライオンの檻に押し込んだのは、みずほ銀行だということになる。

シャープの社員とその家族、そして失われた日本の国益について、みずほ銀行がどう言い訳をするのか聞きたいところだ。

 

親父「日本側の株主も甘すぎる。

鴻海に買収してもらってよかったという、ある株主のコメントがあって唖然としたが、

総会でも社長の報酬を返納せよ、といった類の愚劣な提案が出されていただけで、何ら建設的な提案もみられなかったようだ。

このままでは、この会社に残るのはシャ-プという社名だけで、中身は鴻海にしゃぶりつくされた出汁がらとして、いずれポイされるだけだね。

こんな見苦しい日本企業の身売りは二度と見たくないな。」

 

親父「少し古いデ-タになるが、『シャープ離れ深刻 消費者調査で「買いたくない」3割超』という記事があるぞ(産経WEST2016.6.18 07:20更新)。

 台湾・鴻海精密工業傘下で経営再建を目指すシャープが、鴻海との資本提携に調印した直後に実施した消費者モニター調査なんだが、『今後商品を購入したいと思わない』との回答が3割超に上っていたらしい。

この数字は、現在ではもっと大きくなっている可能性は否定出来ないぞ。

鴻海は、シャ-プの名前を残して、日本国内でも営業するつもりらしいが、消費者の信頼回復は前途多難だな。」

 

息子 「そのシャープ製品を買わないという日本人は、3割を超えているだろうね。この騒動は本当に痛かったね。

今後、この失敗から他の日本企業経営者と株主が学んでくれるとするならば、シャープ創始者やそれを支えてきた方々も、少しは浮かばれるのじゃないだろうかね。」

 

親父「郭会長は台湾の株主総会で、『まずは海外から手をつけ、適正な経営コストの会社にしたい』と言い、中国などの工場や販売拠点の閉鎖・縮小も検討することを示唆したそうだ。さらには、『個人ごとの業績を評価し、信賞必罰の制度を採用する』とも述べたそうだ。

まあ、シヤ-プの再生というよりは、鴻海の子会社化を図るというだけのことだな。

だから、海外のシャープの販売代理店を鴻海に切り替えて、全世界での販売を強化する構想を披露した意味も分かるような気がするな。」

 

息子 「うん。残念ながら、そいうことだね。

将棋のように、相手の駒を取って自陣の仲間として使うイメージとは全く違って、シャープを食べて分解・消化して完全に自分の栄養にしてしまうということだねぇ。。

 

経営者と株主、銀行は、前者だと思っていたのだろうね、きっと。」