親父と息子の口喧嘩(オバマ氏、首相に「訪ロ自粛を」) | 親父と息子の口喧嘩

親父と息子の口喧嘩

ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

23日付の共同通信によると『オバマ米大統領が2月9日の日米首脳電話会談で、安倍晋三首相に5月のロシア訪問を自粛するよう求めていた。』とのことだ。タイミングが悪いというのが、その理由だそうだ。
安倍さんは、それを断ったらしい。

立派だ。

オバマさんも、安倍さんが隣の国と平和条約を結びに行こうとしている矢先に、なんというイチャモンをつけるのだ。

内政干渉の極みだ。けしからん。

お前さんはどう思う?」




息子 「確かによく断ったね。先が見えてレームダックのオバマ大統領と、勢いの続いている安倍さんとの違いもあるが、アメリカに安全保障を頼っているところにこの辺りの問題の根本があるねぇ。
ロシアとはしっかりした関係を築いておかないといけないのは、日本の宿命だ。
アメリカとしても、現在は対中国で周りを固めた方がよいのに、どうも冷戦のイメージが抜けないようだねぇ。日ロの関係改善を、ヨーロッパが邪魔をしようとするならわかるけどね。」


親父「昨年内に予定されていたプーチン大統領の訪日がウクライナ問題の影響でうやむやになり、ようやく決まった安倍さんの5月訪ロが、今度はオバマさんの横槍か。
はっきり言えば、ウクライナ問題などはヨ-ロッパの問題であり、日本がそれほど肩入れする必要はない。
対ロ制裁については、協力する振りをしていれば良いだけだ。
日本の国益上からは、ロシアとは友好を保つべきだ。」



親父「もう少し続けるぞ。この報道どおりに、安倍さんが本当にオバマさんの要請を蹴ったのであれば、これは戦後の日米関係史上、刮目すべき一大エポックというべきだ。
それはオバマさん自身のレ-ムダック化という次元を超えて、アメリカの力の源泉であった軍事力、経済力の衰えを見透かした上での安倍さんの行動だといえるからだ。
いつまでも、日本はアメリカの犬の地位に甘んじていてはならない。
賢い飼い犬にとっては、いつか衰えた飼い主を見限る時期が来るのだ。」



息子 「それはそうだね。どこかで戦後から続く日米関係、つまり親と子のような関係を変えないとね。今はとても友人関係とは言えないからね。

ただ、ロシアへも揺さぶりはかけつつ関係を築いていった方が良いと思うので、そこの部分は親父とは違う意見だ。
ロシアを叩こうとするヨーロッパとも連携もしつつ、カードを増やしていった方がいいとは思うな。押したり引いたり、握手しながら頬をはたき合う、のが外交だからね。」


親父「もちろん、外交の本質はお前さんの言うとおりだ。
しかも、ロシアは一筋縄ではいかぬ相手だ。
しかし、今のロシアは苦境に立たされている。
シベリア開発を餌にして、とことん押しこむべきだ。
我が方に勝算ありだ。」


親父「付け加えておきたいことが一つある。
たとえ、安倍さんの訪ロが5月の伊勢志摩サミットに何らかの悪影響を与えるおそれがあるとしても、予定どおりロシアへは行くべきだ。
セレモニ-染みたサミットより、北方領土問題の方が重要だ。」