民藝というと、


古い器や籠、
昔の職人さんの手仕事を
思い浮かべる人が多いかもしれません。
 

でも、
民藝って今もちゃんと生きているなと思うんです。
 

民藝について考えていたときに思い出したのが、
伊勢神宮の式年遷宮のお話です。

 

20年ごとに社殿を建て替えるとき、
職人さんたちは次の世代のために、
梁の下などに小さなメモを残すことがあるそうです。


「この部分はこう刻むと美しく収まりますよ」
そんな言葉を未来の職人さんへ託すのです。


もし私がそのメモを見つけたら、
きっと胸が熱くなると思います。
 

顔も名前も知らない誰かが、
未来の自分のために託してくれた技。

美しさって
こういう職人魂のリレーで
育まれてきたものなんですね


 

もうひとつ、私が好きなお話があります。


それは代々木の森です。


代々木公園へ行くのが好きなので、
この話を知ったとき感動しました。


あの森は、
「100年後に美しい森になるように」という視点で
木が選ばれ、植えられたそうです。


成長する木だけではなく、
途中で枯れる木も含めて。

枯れた木は土となり、
周りの木々の栄養になる。


だから枯れることさえ、
森を育てる大切な役割なんです。

なんて壮大な仕事なんでしょう。


 

自分には完成を見ることができない
それでも未来の誰かのために、手を動かす。
レンガ職人も、民藝の職人さんも、
代々木の森を育てた人たちも、みんな同じ。



 

美しいものを作ろうとするのではなく、

未来の誰かが心地よく過ごせるように、
今を整える。
 

それもまた、
民藝の形

 

金継ぎで器を直したり。
古い布をリメイクしたり。
お気に入りのものを大切に使い続けたり。

私たちの暮らしの中にも、
そんな思いやりの輪はちゃんと残っています。

 

AIや効率化が進む時代だからこそ、

誰かのことを思いながら手を動かした時間や、
そこに込められたぬくもりが、
なんだかうれしく感じる。

未来の誰かが微笑む姿を想像しながら、
今日の手を動かす。


 

そんな優しさが、
私たちの暮らしの中にある
 

「なんかいい感じ」の正体は                                    これじゃない?


  ゆるやかに降り注ぐ:心地良いものにつつまれる