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恒大集団が4日ついに香港市場で株式取引が中止になりました。
中国の不動産バブルはかれこれ10年ほど前から予想されていましたが、日本のバブル崩壊とその後長く続いたデフレ経済を中国政府は十分に研究して、何とかバブル崩壊を防いできました。
しかし、
上がり過ぎた不動産価格はいつか必ず下がる、
膨らみ過ぎた債務はいつか必ずデフォルトを起こす、
というのは世の必然です。
逆に政府が不動産バブルを引っ張るだけ引っ張った分、中国のバブル崩壊はそのショックは大きくなります。
これまでこのメルマガでも恒大集団のことは度々取り上げて参りましたが、今日皆さんにお話ししたいのは
「鬼城」
中国特有の不動産取引が招く悲劇です。
中国では、マンションを建設する企画を公表した時点からマンション販売が始まります。
要するにまだ何も工事もしていない更地の状態から販売が先行して行われるのです。
ここが日本の不動産取引と大きく異なるところです。
だからマンション建設工事の途中で、販売元の不動産会社が倒産してしまったら、そのマンションを購入した人は、ローンを組んで購入代金を全額支払っていてもマンションを手にすることが出来ず、借金だけが残ることになります。
おまけに中国にはいまだに
個人の自己破産の法律がありません。
ですからマンションを買ったのに、完成途中で販売元の不動産会社が倒産したり、逃げちゃったら、マンションを買った人は何の資産も持つことができないばかりか、
ローンだけは完済するまでついてくる
ことになります。
こうした販売元の不動産会社が倒産したり逃げちゃったりして建設途中で放り投げられたマンション等を中国では「鬼城」と呼んでいます。
先日NHKのBS放送で、こうした「鬼城」を購入してしまい、大変な目に遭っている人たちを特集したドキュメンタリー番組が放映されていました。
このNHKの番組で取り上げられた「鬼城」は建築元の不動産会社が質の悪い会社で、1つの区分を何人もの人に販売して、自分たちは購入した人たちが支払ったお金だけ貰って逃げてしまったとのことでした。
このマンションを購入した人の中には、別に同じ区分を購入した人と所有権を死に物狂いで争っている人もいます。
まだ電気も水道も通る前に放り出された32階建ての高層マンションでしたが、投資目的ではなく自分が住むために購入した人たちの、バケツで外から水を階段で運び、夜はロウソクを灯して暮らす、つらい日常を報じていました。
やがて彼らは団結し、代表者が地元の共産党本部に
「何とかしてくれ!」
と訴えに出ます。
しかし、地元の共産党本部は彼らを待たせるだけ待たせて、彼らの直訴をのらりくらりとかわすだけです。
どうにもこうにも埒が明かない彼らは、地元の共産党本部の正門前に座り込みまで始めます。
彼らの訴えに根負けした地元共産党は、ついに水道と電気を地方政府の予算で通すことを決めた、というのがこのドキュメンタリー番組の内容でした。
中国最大の不動産会社である恒大集団は、
完成前の仕掛りの物件が778件
もあるとのこと。
その多くがマンションであり、既に恒大集団に購入資金を払ってしまった人がとんでもない数になっています。
それ以外にも恒大集団に理財商品と言われる金融商品(≒借用書)で大金を貸している人も数多くいます。
習近平独裁の中国共産党がこの恒大集団の倒産劇で最も恐れているのは、中国人民の「怒り」です。
投資用で恒大集団のマンションを購入した人はまだしも、自分が住む目的でマンションを購入した人たちは、電気や水道が通っていなくても建設途中のマンションに住まざるを得ない。
それならまだ良い方で、購入代金を支払ったのに、まだ工事に全く着手していないケースもあるでしょう。
問題は恒大集団に限った話ではありません。
これからもバタバタと中国の不動産会社はドミノ倒しのように倒産していくのです。
その被害者の数もどれだけ膨らむかわかりません。
習近平はこの状況で
中国人民の怒りをどのように鎮めていくのか?
人民の怒りをまともな方法で鎮めるためには
膨大なお金が必要
になるのは間違いありません。
暴力によって人民の怒りを鎮めるのは中国政府のお得意の手段ですが、これを強行してしまうと多くの人民の心は中国共産党から離れていきますし、海外からも強烈な非難を浴びることになるのは必然です。
中国政府は台湾にちょっかい出している場合ではないんじゃない?
こう思うのは私だけでしょうか?