異人たちの棲む館
トルコ出身でイタリアの映画監督フェルザン・オズペテクさんの作品☆☆☆
素敵な作品。
私には人生讃歌に感じられたな…
ありきたりの日常こそが素晴らしいと…
かけがえないと…
主人公と自分が重なる(笑)
ピュアで真っ直ぐでやさしいところ(笑)
恋愛への一方的過ぎて重い姿勢とかね…(笑)
-あらすじネタバレあり-
ピエトロ(マリアに股間を触られて拒絶し「ゲイにもなれない僕に女の相手は無理だ」と本人談)は俳優を夢見てローマにやってきた。いとこのマリアの家に同居し、夜はパン屋でバイト、昼はオーディションの生活。高級住宅地に、古いがパルコニー付き邸宅風の格安アパートをみつけ、一人暮らしを始める。ところが、その家には先住者がいた。突然現れた正装の男女と子ども──ピエトロにしか見えない謎の8人の正体は1943年にパルチザン活動が発覚してファシスト政権に殺された劇団アポロニオの俳優たちだった。だが、彼らは自分たちが死んでいることに気づいていない。最初はこの幽霊たち恐れていたピエトロだが、ある人物を捜してほしいと彼に助力を求め、一方で演技指導もしてくれる同居人たちと次第に心を通わせるようになる…。
素敵な台詞も沢山あって
殴られて倒れていたオカマの人を手当てするエピソード
↓
団員の一人が
「何の役を演じてるんだ?」
と尋ねると、
「ただ自分を演じてるだけ。リアルな虚構が一番自然なの」
彼らの合言葉
「虚構だ、虚構だ」
「虚構ではなく現実だ」
最初は不思議な居候の存在を
「よい孤独撃退法ね」
と言っていた彼女が、
帰り際には
「こんな私が自分を信じてるんですもの。幽霊ぐらい」
と見えない彼らの存在を完全に認めてくれるのが素敵。
主人公のいちばんの親友である女性(親戚)はまったく信じてくれなかったからね~(当然だけど)
劇中の映画オーディションの台詞
「嘘は時に 説得力を持つが━━━
真実には劣る
重要なのは 僕を信じた者の存在だ
閉じこもっていると 現実と━━━
幻想の区別がつかなくなる
雨がやんだ今
僕はただ━━━
ベンチが欲しい
雲が去るまで 座って 待つために
どうやら太陽も━━━
顔を出すことにしたようだ」
主人公が眠っているところに、現れる詩人の台詞
画家ならば
光あふれる寝顔を━━━
描けるのでしょうが
私には詩しか書けません
“そうして眠っているかぎり
君は私の胸中に秘められ━━━
目覚めた途端 現実に還ってゆく”
眠っている、夜勤の主人公を起こす詩人の台詞(仕事は休みだったけど(笑))
夜いくら書いても 翌朝には━━━
幻滅します
人が出会い 恋に落ち
そして別れて
また出会う
主人公ピエトロ・ポンテキエヴェッロ「僕はいつも 別れて終わりだ」
眠っていた
あなたの顔に近寄って━━━
目に息を吹きかけました
きれいな寝顔が・・・
目の前の
こんな・・・
近くに
起きて下さい 時間です
遅刻します(微笑む)
↑表現も映像も言葉もエロティックで官能
的で素晴らしいの
↑
↑夜中書いた文が朝読むと幻滅ってのもよ
くあること(笑)
女性が現実とか合理主義的で
男性が夢とかファンタスティックな感じに対比されていて素敵
主人公は真ん中だからまた良いエッセンスな気が・・・
ネットに的確な感想が載っていたので
2012 伊 106分
原題 MAGNIFICA PRESENZA(素晴しき存在)
監督 フェルザン・オズべテク 出演 エリオ・ジェルマーノ マルゲリータ・ブイ
ローマの古い建物に住む8人の幽霊と、地方から出て来た若者の物語。若者はゲイ(らしいが、まだ経験が少なくそのことに自信がない)で、役者を目指している。長い間思い続けた男性と住むためにその家を借りたのだが、現実の相手と3年ぶりに会った途端、フラれる。オーディションも受けるが、うまくいかない。
幽霊は第二次大戦中からここに住んでいる。子どもから老人まで、古風で豪華ないでたち、アポロニア座と言う劇団員だ。初めは追い出そうと思っていた青年だが、一人ぼっちの彼に、幽霊たちが相談にのってくれ、メークや演技も指導してくれる。中には彼に恋心を抱く男性も出てくる。このあたり、まるで「セロ弾きのゴーシュ」のようだ。
第二次大戦中の傷に触れるような主題をこれほど伸び伸びと物語れるのは、トルコ出身の監督だからでは。
この映画には、ゲイ・トルコ・演劇と言う3つの異文化が日常の中に醸し出す、摩訶不思議な空気が漂っている。
主人公役(エリオ・ジェルマーノ)の容貌は、ジェラール・フィリップの端正さに素朴さと滑稽味を加えたようだ。
事件のカギを握る行方不明の女優を探し当てた若者だが、劇団一の若さと美貌を誇った彼女も老いさらばえている。
一方、幽霊たちは相変わらず若い。
自分たちの死の顛末が解ったときの彼等のシニックな反応はいかにもヨーロッパ的だった。
うぶで純情な主人公の青年に比べ、女性たちが現実的で利己的なのが、ゲイの監督の視点を感じさせる。
流血も暴力もなくユーモアがありのんびり鑑賞出来る、ただ強烈な感動はないけれど。
評価は★★★(60点)
私は★★★★,5(93点)だけど
強烈な感動がないことが重要だったのかなと・・・
冷静に俯瞰して人生をみつめる大切な時間・・・
素敵な作品。
私には人生讃歌に感じられたな…
ありきたりの日常こそが素晴らしいと…
かけがえないと…
主人公と自分が重なる(笑)
ピュアで真っ直ぐでやさしいところ(笑)
恋愛への一方的過ぎて重い姿勢とかね…(笑)
-あらすじネタバレあり-
ピエトロ(マリアに股間を触られて拒絶し「ゲイにもなれない僕に女の相手は無理だ」と本人談)は俳優を夢見てローマにやってきた。いとこのマリアの家に同居し、夜はパン屋でバイト、昼はオーディションの生活。高級住宅地に、古いがパルコニー付き邸宅風の格安アパートをみつけ、一人暮らしを始める。ところが、その家には先住者がいた。突然現れた正装の男女と子ども──ピエトロにしか見えない謎の8人の正体は1943年にパルチザン活動が発覚してファシスト政権に殺された劇団アポロニオの俳優たちだった。だが、彼らは自分たちが死んでいることに気づいていない。最初はこの幽霊たち恐れていたピエトロだが、ある人物を捜してほしいと彼に助力を求め、一方で演技指導もしてくれる同居人たちと次第に心を通わせるようになる…。
素敵な台詞も沢山あって
殴られて倒れていたオカマの人を手当てするエピソード
↓
団員の一人が
「何の役を演じてるんだ?」
と尋ねると、
「ただ自分を演じてるだけ。リアルな虚構が一番自然なの」
彼らの合言葉
「虚構だ、虚構だ」
「虚構ではなく現実だ」
最初は不思議な居候の存在を
「よい孤独撃退法ね」
と言っていた彼女が、
帰り際には
「こんな私が自分を信じてるんですもの。幽霊ぐらい」
と見えない彼らの存在を完全に認めてくれるのが素敵。
主人公のいちばんの親友である女性(親戚)はまったく信じてくれなかったからね~(当然だけど)
劇中の映画オーディションの台詞
「嘘は時に 説得力を持つが━━━
真実には劣る
重要なのは 僕を信じた者の存在だ
閉じこもっていると 現実と━━━
幻想の区別がつかなくなる
雨がやんだ今
僕はただ━━━
ベンチが欲しい
雲が去るまで 座って 待つために
どうやら太陽も━━━
顔を出すことにしたようだ」
主人公が眠っているところに、現れる詩人の台詞
画家ならば
光あふれる寝顔を━━━
描けるのでしょうが
私には詩しか書けません
“そうして眠っているかぎり
君は私の胸中に秘められ━━━
目覚めた途端 現実に還ってゆく”
眠っている、夜勤の主人公を起こす詩人の台詞(仕事は休みだったけど(笑))
夜いくら書いても 翌朝には━━━
幻滅します
人が出会い 恋に落ち
そして別れて
また出会う
主人公ピエトロ・ポンテキエヴェッロ「僕はいつも 別れて終わりだ」
眠っていた
あなたの顔に近寄って━━━
目に息を吹きかけました
きれいな寝顔が・・・
目の前の
こんな・・・
近くに
起きて下さい 時間です
遅刻します(微笑む)
↑表現も映像も言葉もエロティックで官能
的で素晴らしいの
↑
↑夜中書いた文が朝読むと幻滅ってのもよ
くあること(笑)
女性が現実とか合理主義的で
男性が夢とかファンタスティックな感じに対比されていて素敵
主人公は真ん中だからまた良いエッセンスな気が・・・
ネットに的確な感想が載っていたので
2012 伊 106分
原題 MAGNIFICA PRESENZA(素晴しき存在)
監督 フェルザン・オズべテク 出演 エリオ・ジェルマーノ マルゲリータ・ブイ
ローマの古い建物に住む8人の幽霊と、地方から出て来た若者の物語。若者はゲイ(らしいが、まだ経験が少なくそのことに自信がない)で、役者を目指している。長い間思い続けた男性と住むためにその家を借りたのだが、現実の相手と3年ぶりに会った途端、フラれる。オーディションも受けるが、うまくいかない。
幽霊は第二次大戦中からここに住んでいる。子どもから老人まで、古風で豪華ないでたち、アポロニア座と言う劇団員だ。初めは追い出そうと思っていた青年だが、一人ぼっちの彼に、幽霊たちが相談にのってくれ、メークや演技も指導してくれる。中には彼に恋心を抱く男性も出てくる。このあたり、まるで「セロ弾きのゴーシュ」のようだ。
第二次大戦中の傷に触れるような主題をこれほど伸び伸びと物語れるのは、トルコ出身の監督だからでは。
この映画には、ゲイ・トルコ・演劇と言う3つの異文化が日常の中に醸し出す、摩訶不思議な空気が漂っている。
主人公役(エリオ・ジェルマーノ)の容貌は、ジェラール・フィリップの端正さに素朴さと滑稽味を加えたようだ。
事件のカギを握る行方不明の女優を探し当てた若者だが、劇団一の若さと美貌を誇った彼女も老いさらばえている。
一方、幽霊たちは相変わらず若い。
自分たちの死の顛末が解ったときの彼等のシニックな反応はいかにもヨーロッパ的だった。
うぶで純情な主人公の青年に比べ、女性たちが現実的で利己的なのが、ゲイの監督の視点を感じさせる。
流血も暴力もなくユーモアがありのんびり鑑賞出来る、ただ強烈な感動はないけれど。
評価は★★★(60点)
私は★★★★,5(93点)だけど
強烈な感動がないことが重要だったのかなと・・・
冷静に俯瞰して人生をみつめる大切な時間・・・