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浮草


静かなトーンの中で、人間の悲喜交交、喜怒哀楽を淡々と描く。
強く揺さぶられるというより、じとっと地を這うように滲みる人間ドラマ。
常に冷静な目で、ドラマを構築されている。
カラーだろうが、モノクロだろうが小津調を具現化している。
笑っている時は心で泣き、泣いている時は心で笑う…「人間てそんなものさ」と云っているよう
川原の草木のやうに、大地にしっかりと根をはりどっしりとかまえて、水や風の流れに逆らうことなく、抗うことなく、自然にあるがままに…、
流されることもあるがそれも乗り越えていく…
小津作品のなかにある、太いテーマな気がします…凄くハッキリとではなく、あくまでも自然に…
ちっぽけな人間だけど、幸せは近くに沢山あるのだと、量は問題でないと…
川口浩さん、爽やかイケメンなんだよね☆☆☆


あらすじ

旅回りの駒十郎一座の乗った船が港に着いた。駒十郎は一膳飯屋にお芳を訪ね、その昔二人がもうけた清も今では郵便局に勤めていると知って安心する。清には駒十郎はお芳の兄ということになっていた。駒十郎の連れ合いのすみ子は、清のことを不審に思い加代に清を誘惑してくれるよう頼む。加代と清は恋仲になり、それを知った駒十郎は加代とすみ子を激しく叱りつける。客入りの悪くなった一座は解散することになり、駒十郎と清は加代を巡って対立する。お芳は清に駒十郎が実の父親だと打ち明けるが、清は許さず、駒十郎は気が抜けたように立ち去る。駅に行くとすみ子が待っていて、二人は車中の人となるのだった。


スタッフ

監督:小津安二郎
製作 : 永田雅一
企画 : 松山英夫
脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:宮川一夫
美術:下河原友雄
音楽 : 斎藤高順
録音:須田武雄
照明:伊藤幸夫
色彩技術:田中省三
装置 : 原島徳次郎
装飾 : 岩見岩男
メークアップ : 牧野隆
舞踊振付:花柳寿恵幸
舞台指導 : 上田吉二郎
助監督 : 中村倍也
編集 : 鈴木東陽
製作主任 : 松本賢夫
現像 : 東京現像所 (アグファカラー)


キャスト

嵐駒十郎:中村鴈治郎
すみ子:京マチ子
本間清:川口浩
加代:若尾文子
清の母お芳:杉村春子
小川軒のあい子:野添ひとみ
相生座の旦那:笠智衆
吉之助:三井弘次(松竹)
矢太蔵:田中春男
杉山:入江洋佑
木村:星ひかる
仙太郎:潮万太郎
座員しげ:浦辺粂子
あい子の母:高橋とよ
梅迺家のおかつ:桜むつ子(松竹)
梅迺家の八重:賀原夏子
扇升の孫正夫:島津雅彦(劇団若草)
古道具屋:菅原通済
六三郎:花布辰男
扇升:伊達正
亀之助:中田勉
船員:三角八郎
庄吉:丸井太郎
爺さんの客:酒井三郎
船着場の係:杉田康
小川軒の客:南方伸夫
郵便局員:志保京助
梅の家の親爺:佐々木正時
ジョー・オハラ
あい子の父:宮島健一
飛田喜佐夫
小屋の男徳造:丸山修
長太郎:藤村善秋