エッセイの練習 第13回 「グッドバイ」 | あべせつの投稿記録

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課題「グッドバイ」

 

 

グッド・バイ

あべせつ

 

 

英語のご挨拶にはグッドから始まるものが多い。グッドモーニングは「良い朝を」、グッドナイトは「良い夜を」、グッドアフタヌーンは「良い午後を」、直訳すれば、そのままの意味である。

ならば、グッドバイ。「良いバイを」とは何なのか?と調べてみたら、これがグッドにもバイにも全然関係なくて驚いた。good―byeの原型は、God be with ye (神のご加護がありますように)の短縮形なのだそうだ。

なんで突然、日常のご挨拶に神がお出ましなさるのか?と思いきや、本来は「もう会うことがないかもしれない」という、お別れを告げる時に使う言葉なのだという。

グッドバイと聞くと、さとうよしみ作詞・河村光陽作曲の童謡「グッド・バイ」の歌詞が頭に浮かぶ。グッド・バイ グッド・バイ グッド・バイバイという、あの昭和生まれには馴染み深い旋律の歌である。

今までは、特に何の感慨もなく聞いていたが、グッドバイが別離の意味だと知ると、とたんに物悲しい思いに包まれた。童謡は子供の声で歌われているのだが、この子が歌詞に出てくるとうさんや、ともだちや、子犬や、おばさんや、あかい夕日に、もう二度と会えないような気がしたからだ。それは私自身が震災を体験したからかもしれない。

 ある日、突然、大切なモノを奪ってしまう戦争や震災や事故や犯罪などとは、生涯グッド・バイしていたい。