課題「交通安全」
交通危険 あべせつ
今年は、昨年度よりも交通事故件数が減っているという。とはいえ、その数四十万件超。死亡者数は三千人である。これを見れば、『交通安全を心がけましょう』などと悠長なことは言っていられない。『交通危険』と言い換えるべきなのである。
一歩玄関を出ずれば、死地に赴く覚悟して、頭には兜の代わりにヘルメットを冠し、全神経をとがらせていて、ちょうど良いくらいなのである。
冗談ごとではない。私は車にも乗るが、自転車にも乗る。歩行者にもなるので、すべての人の立場はわかる。その上で申し上げるのであるが、一番厄介なのは、自転車での交通ルールを守らない人なのである。
夜間、暗い色の服を着て、無灯火で逆走、おまけにヘッドホンをして、スマホをいじりながら片手運転している自転車が、曲がり角から突然現れ、こちらにすごいスピードで突っ込んで来るのを見ると、肝が縮みあがる。
思わず窓を開けて、「死にたいんか! このバカチンが!」と怒鳴りそうになる。
事故を起こせば、いつも車が悪者になるが、そうとばかりも言えないのである。
ルールを守るのは、自分や家族の命を守るためだということを、老若男女全員にわかってもらいたい。情けは人のためならず。交通ルールも、ただのお題目ではない。