詩とファンタジー「秋染号」応募作品
40行まで
チョビは待っている あべせつ
チョビは待っている
ぼくが がっこうから かえってくるのを まっている
ただいまあって げんかんをあけると もうそこにいて
おかえりいって いうみたいに にゃあとなく
チョビは待っている
ぼくが おいしいごはんを だしてくれるのを まっている
カリカリだよおって おさらにもると ゴロゴロいって
かんづめはあって いうみたいに にゃあとなく
チョビは待っている
ぼくが あたまやからだを なでてくれるのを まっている
やさしく いっぱい なでてやると うれしそうに
ぼくのことが だあいすきって いうみたいに にゃあとなく
チョビは待っている
ぼくのひざのうえに のることを
チョビは待っている
ぼくのふとんで いっしょにねることを
チョビは待っている
チョビは いつも まっている
そうして長い月日が経って
チョビは待っている
お空の上で やすらかに ぼくが来るのを待っている
そしていつか ぼくが天に召されたときは きっと
おかえりいって いうみたいに にゃあと鳴いてくれる