自宅に戻ってきて数日が経つ。
お恥ずかしい話、実家では上げ膳据え膳で食べまくっていたら、お腹の辺りの膨らみが増加したらしく(私本人もやや自覚あり)、息子をお風呂に入れる際に私のお腹の肉を見た夫から、「太っても好きだよ。」と言われた。
せっかくの言葉だが、前半の言葉(『太った』)が発した衝撃が強すぎて、後半の言葉(『好き』)があまり心に響かず、素直に笑顔が出てこなかった。
そんな中、昨日ハチと『一時保育のための体験入園』に行ってきた。
仕事の関係で、近々一時的に出勤することになる可能性が出てきたのだ。
ホームページで調べた保育園に申し込みの電話をしたところ、まず親同伴での体験入園が必要とのことで、私とハチの2人揃って保育園に行ってきた。
その保育園は園児が100人くらいいるそうで、施設の一角に一時保育専用の部屋が用意されていた。
「そんなに広くない部屋ですけど。」
と先生はおっしゃっていたが、ハチが普段過ごしているアパートのリビングとキッチンを合わせた空間よりは確実に広く、着いたとたんハチは私の抱っこ紐から降りようと身を乗り出し、初めてお会いする先生方にも笑顔で愛想を振りまいていた。
普段の人見知りで無愛想なハチはどこへやら、途中で現れた園長先生にはぺこぺこ頭まで下げ挨拶をし、
「これはこれはご丁寧にどうも。」
と礼を返してもらうと、嬉しそうに小躍りしていた。
どうした?!ハチ!!
まぁ、愛想が良いことは親として大変嬉しいことなのだけれど。
その日の一時保育はハチを含め3人で、ハチ以外の子は2歳のお兄ちゃんとお姉ちゃんだった。
先生のお話によると本来であれば主に園庭で遊ぶことが多いらしいのだが、昨日はあいにくの雨だったので室内でオモチャで遊んだりして過ごした。
ちょっと大きい、おそらく4~5歳児のクラスの体操にも混ぜてもらった。
広間にわらわらと集まる子ども達に多少驚いた様子のハチ。
最初はみんなの後ろの方にいたが、先生の合図で両手間隔で広がる子ども達の手の間をサササッとくぐり抜け、体操が始まる時にはいつの間にか集団のほぼ中央に立っていた。
大丈夫かな・・・。周りの子の迷惑にならないかな・・・。
心配する母をよそに音楽はスタート。
みんな慣れているのか、上手に手を叩いたり先生が示す動物の真似をしたりしている。
その中で、ハチはただ1人呆然と立ち尽くしていた。
周囲の子に比べ頭一つ分くらい小さい体で。
周りの子達がぴょんぴょん跳んだり体を左右に大きく揺らしたりしている中、ただ立ち尽くしていた。
まるでサバンナでシマウマの群れに紛れ込んでしまった赤ちゃんライオンのようだった。
普段の獰猛な性格も全く表に出せないで周りの動きに圧倒される赤ちゃんライオン。
これが集団の怖さだよ。よく覚えておきなさい。
なんて我が子の姿を見て笑ってしまったが、さすがに怖い物知らずのうちのライオンは、曲の後半になれば再び人と人の間をくぐり抜け、どんどん集団の前の方へ。
曲が終わった時には指導中の先生の真横にぴったりと張り付いた状態になっていた。
なんて子だ・・・。
次の曲になり、再び子ども達が体操を始めると、今度は集団の輪には入らず、壁際をてくてくと歩き、1人で隣の部屋へ・・・。
慌てて追いかけると、そこはトイレで、便器に手を突っ込もうとしているところを先生に止められていた。
体験入園における母親の立場、母親はどうしているべきか、を最初に聞いておかなかったので、あまり追い回すのも良くないかな、先生に任せておいて私は手を出さない方が良いのかな、今のはやめさせた方が良いと思うけど私が強く言って良いのかな、先生はこういう時どうやって注意されるのかな、などと何かにつけオロオロしていたため、体操が終了した時点ではまだ1時間ちょっとしか経っていなかったにもかかわらず、私自身すでに披露困憊だった。
その後、いつもの朝寝の時間になりハチが徐々に不機嫌に。
先生は布団を用意してくれたが、ハチは全く近づこうとせず、私の体によじ登りながら泣いていた。
「私達はちょっとお散歩してくるので、ゆっくりしていてください。」
と、二人で部屋に残された。
小雨も降っているのに、なんか、申し訳ないな・・・。
私がいなかったらどうするのかな・・・。
先生にこの役を頼むことになるんだろうな・・・。
悶々と考えながら、持参していた抱っこ紐でハチを寝かしつけようとしたが、環境が違うからか、ハチは全く眠る気配もなく。
ま、隣の部屋でリトミックをしている音がまる聞こえだったからそう簡単には寝ないだろうとは思っていたけれど。
結局少しも眠ることなく、給食の時間になった。
お友達の食べている姿を見て、最初は軽快に手づかみで食べ始めたハチだったが結局途中でギブアップ。
それでもいつもよりは食べてくれたので私としては嬉しかったのだけれど、用意してくれた量の半分も食べず、最終的にはお皿を持って椅子から降りて自由に歩き始めた。
あ、いいのかな、ダメって注意すべきかな、と声を出すか出さないか迷っていると、さすがに先生が
「お皿は遊ぶ物じゃないよ。」
と、手から皿を取り上げてくれた。
そして、ハチはいつものギャン泣き&のけぞり。
給食を食べていた2歳児達も唖然として手を止めていた。
またもやアワアワしていると、先生から「ミルクを飲みたいんじゃないかな~」と言われ、ハチを抱っこしてもらっているうちに、慌てて準備をした。
泣きじゃくっていたハチは私から哺乳瓶を奪うとピタリと泣き止み、いつものごとく飲みながら満足気にその辺を歩きまくった。
「いつもこんな感じで歩きながら?」
「・・・はい。」
「ハチくん、ミルクは座って飲むものですよ~。」
と、先生はハチを抱っこしてくれ、膝枕でミルクを飲ませてくれた。
「お里が知れる」ってこういうことか・・・と何となく厳しいお姑さんの前に出た気分だった。
ま、先生の言葉は嫌みでおっしゃっているのではない、というのは重々承知だけれど。
そんな感じで、母子ともに疲れた体験入園、ハチは帰りの車の中で爆睡だった。
緊張はしたけれど、ハチはあまり場所見知りしないということもわかったし、保育園に入っても上手くいくと思う。
実際の入園まではまだ時間はあるし、待機児童の問題もあって今から手続きを始めたとしても希望する時期に入れるかどうかもわからない。
入園までにできるかぎりハチの癇癪が抑えられ、先生方にご迷惑がかからないようになればいいのに!!と心から願う。
そうは言っても、一時保育は近々お願いする必要は確実に出てくるし。
もうここは「うちの子、ご迷惑お掛けしますが、すみませ~ん。」と開き直って甘える他ないのだろう。
とりあえず、家ではミルクを座って飲ませることから始めようと思う。