
この映画は中学時代(昭和23年からの3年間)に先生に引率され全員で見に行った映画でした。そのようにして見た映画は他に「石の花」(ソビエト)、「緑の髪の少年」(アメリカ)、「鐘の鳴る丘」などがありました。
当時映画を見る機会はめったになかったので、ストーリーは大体憶えていました。「シベリヤ物語」はどうせ社会主義国家の宣伝映画だったのだろうとと思いましたが、懐かしい気もして借りました。
見てみると、宣伝はもちろんあるのですが、ソビエト国内に向けて当時辺境の地、流刑の地であったシベリアをこれから発展が期待される希望あふれる土地として宣伝しているように思えました。
若手ピアニストとして将来を嘱望された主人公が戦争で手を負傷してピアニストになることを諦め、生まれ故郷のシベリアに帰り、田舎の食堂の一室で設計技師として生計を立てながら、週末にはアコーディオンを弾いて合唱を楽しんでいる。
そんなところへアメリカに向かう飛行機が不時着、飛行機には主人公のかつての恋人(ソプラノ歌手)が乗っていて再会、恋人の励ましもあって、主人公は作曲家をめざし交響詩「シベリヤ物語」を作曲する、という様な話です。
これはジャンルとすれば音楽映画なのでしょう、シベリアの民謡、「バイカル湖のほとりで」等がいくつか流れました。低音でハモるような部分はきれいに聞こえるのですが、ピアノやオーケストラのフォルテの部分は音源が古いせいでしょう聞き苦しかったです。
映画の公開は1947年、このころはシベリア抑留がまだ続いていたはず、多くの日本人が強制労働で命を落とした頃に撮られた映画なんだと思い複雑な気持ちもしました。