フーテン | mimiの独り言

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「ミミさんはフーテンだね」、大学1年、18歳だった私は3年先輩の学生からこんなことを言われました。その学生は私と科が同じ、クラブ活動も一緒で顔を合わせる時が多かったのです。

でも私はその時フーテンの意味を知りませんでした。「フーテンって何ですか?」と尋ねると彼は笑って、「辞書を引いてごらん」と言いました。そこで家にあった明解国語辞典を引いたのですが、その辞書には「瘋癲、気違い」とあって私は大いに驚きました。

その時はそれ以上フーテンの話はしませんでした。私は友達と群れてにぎやかに遊ぶ方ではなかったので、変わっているように見えたかもしれません。

そしてそれから15年ぐらい経って、あの「男はつらいよ」が人気をはくし、「フーテンの寅」が有名になったため「フーテン」には別の意味もあることが分かってきました。

さらに年月が流れ私が一人になり、時々一人で旅をするようになった時、あの「フーテンだね」の言葉を思い出すようになりました。

実は私はその彼に対してかすかな好意を持っていたのでした。でも言葉や態度にそれを出したことはなく、まして気違い(?)と言われたのですから、離れたところから見ていただけでした。

今はふと、あんなふうに言ったということは先方も少しは私に注意を払っていたかもしれない、などと思ったりします。でもそれらは本当に遠い過去の話、聞くところによると彼は癌でかなり悪いとのこと、こうしてどうしようもなく時は過ぎてゆくのだ、と思います。