先日、お店でこーひーを使ってくれているシェフが来てる時に
話していた内容になるのですが、
以前からコーヒー豆の卸業者が飛び込みで営業に来たりします。
その時、自分のお店の仕入れ先(仲間内)の事を少しだけ伝えると、昔から営業している方だと何処(誰)から仕入れているのかが解るらしく例外なく「その方には敵わないので申し訳ございません💦」と帰っていきます。
飛び込みの営業に自店の仕入先の事を伝える前に、少し話しをして色々と聞いたりもするのですが「農園での品質管理がどこまで出来ているのかや、フレーバー主体・点数至上主義の業界には懐疑的だ」とお伝えした上で色々とお話しをさせて頂きます。
ほとんどの営業さんは「あべこーひーの仕入れ先には足元も及ばないし、まず敵わないので…」と言われますが「もし良いモノであれば、うちの仕入れ先(仲間)経由で購入させて頂きます」と伝えると「そちらのインポーターへ営業へ行くのは…かなりの勇気が…」と言われてしまいます。
実際、仕入れに関して農家さんとインポーター(輸入業者)が、どこまで密に関係を構築できるかによって、農園での品質管理の対応も変わってきます。
収穫の際、どの部分の実を摘み取るのか・収穫後の処理の仕方や・袋詰めが終わった後に定温倉庫へ入れて2~3ヶ月掛けて生豆の中の水分量の調整等(*注1下記にて説明)、通常では農家さんも面倒臭くて到底対応できないと断られる内容であっても、良いモノを作れば高く売れて農家さんの収入も上がるのでと根気よく伝え、長年の農園との信頼関係がないと出来ない品質管理等もあります。
ただ今、飛び込みでやって来る業者さんだったり、大手仕入れ業者はここまでの農園との関係づくりが出来ず(実現不可能と言ってきます)、その上で「そこまで密に農園やインポーターと関係構築したり出来ている方(お店)とお会いした事は無かったです💦」と言って帰って行きます。
今の業者さんだったりを見ていると実際は仕入れ易さや売り易きに走り、お店側もお客さんに売り易いモノを仕入れる…どこどこで賞を取った、品評会で点数がいくつだ、フレーバーは、あーだこーだ、今流行っている品種を育てて売れば!と、どこの国でも同じ様な個性や風味を求めて要れば、いずれそれはただの在り来たりな商品にしか成らない。
結果その国々の違い、コーヒーの本質の良さを見抜けず他国のインポーターから足元を見られ高値掴みをさせられている輸入仕入業者(インポーター)の様子もよく見るし、その状況を知らない(理解出来ていない)若いお店が1番被害にあうのですが、それが普通でその中で生きていくしかないので、どうしてもインスタ映えやバズリを狙った販売に走ったりしてしまいます…
パッとしないコーヒーでもブレンドのベースに使えばとても良い仕事をするコーヒー豆も多く、その国その国で味の役割分担や、独自の個性を磨いて行けば競合する事も無くなるのですが・・・
そしてコーヒーの仕入れ状況から見えてくるモノとして、今の為替の影響や世界中での物価上昇に日本は追い付いておらず、かなり遅れを取っています。日本政府も色々と対策は打っているのですが、それも後手に回っている感じをうけます。
物価高対策もあり先日、日銀も金利を上げてきましたが、現場目線で現実を伝えると物価上昇は収まらないと思っています。
例えば、昨日届いたエチオピアの輸入状況を見ていると近年エチオピア政府が進めて来た「輸出自由化と情報化」によって取引価格(仕入れ価格)が1年で2倍になる大幅な値上げが行われています。
ただ、自店では長年の信頼関係を築いて来た事もあり、長期契約で特別価格を貰っているので、今年の仕入価格の値上がりは1.5倍に収まっています。
つまりは創意工夫をして仕入れ価格の値上がりスピードを遅らせながら、仕入を行っているのですが、来年には特別価格は無く成るので、昨年の2倍の価格へ仕入れ代金は値上がりします。
(他店ではそれ以上の高騰となり仕入れ自体が難しくなってくると思っています)
エチオピアのコーヒー豆輸入1つを見ても、この状態なので自国の中だけで考えていても物価上昇は簡単には収まらない筈です。
高くなる仕入を利益を削りながら値上幅を最小にしながら我慢していますが、値上げをする事によって売り上げは伸び、消費税は売上に掛かる税金なので目も当てられません。
ただ本当に、消費税だけは早く何とかしてもらいたいのです・・・
*注1)過去1%水分量を減らした状態で輸出をお願いした事もあります。それは船でのコンテナ輸送や日本で保管中に熟成されてより風味が増すように水分調整を行うためです。ここでの管理が疎かに成ると熟成ではなく枯れてしまい、味の劣化に直結します。