『少女』湊かなえ

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親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く──死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。


★★★☆☆


「人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った」
という帯の言葉から想像していたより、意外に爽やかな青春小説だった。

『告白』の作者ということで、女子高生が友達や先生を自殺に見せかけて次々と殺して行く・・・みたいな話だと勝手に思い込んでいたわー。

途中から

「あれ?これはもしかすると実は感動系の友情物語??」

と気付き始めたのだけど、怖い話が好きなくせに

「ハッピーエンドならいいのに・・・」
といつも望んでしまう自分としては、嫌いな展開ではなかった。

物語は二人の女子高生、由紀と敦子の視点が入れ替わりながら進んでいく。

「きっとこうなんだろうなー」

という予想が出来ちゃうような展開も少々あるんだけど、ラストで全ての話が繋がった時には素直に感動キラキラ
やっぱり小説家は凄いビックリマーク



感動した割に★みっつなのは、ラストまで一気に読ませる面白さはあったけど、読み終わった後の余韻みたいなものがないからかな?(個人的に)

「本物の死をこの目で見てみたい」という主人公達の思いとは裏腹に、小説の死にあまり重みを感じなかったというか。

私が知らないだけで「リセット」
なんて簡単に死を捉えている子たちが、現実に本当にたくさんいるのならそれは本当に怖いことだなと思うけど・・・。(そんなことないって信じたいーショック!)



解説を読むと新たな発見があるかもしれませんニコニコ(私はそんなこと全く気にせず読んでたわー)