こんにちは。

 

コンクールシーズン続行中ですが、

新たな曲の譜読みをはじめました。

 

ショパン ノクターン16番(Op.55-2)。

 

20番(遺作) 以外、

14番以降のノクターンを、

わたくしはあまり聞いたことが

なかったのですが、

 

コンクールで、

16番、17番、18番の

魅力的な演奏を何度も耳にしてきて、

 

とっておきの宝物を発見した気分に

なっていました。

 

先生とのご相談で、

16番に取り組むことに。

 

わたくしの大好きな8番(Op.27-2)から見ると、

 

ノクターンの番号は2倍(8番→16番)、

作品番号も約2倍(Op.27→Op.55)

でございますが、

 

加えて、

難易度も2倍ということに、

気付いてしまいました。

 

2段階ではなく、2倍なのです。

 

まずは右手から、メロディの掘り出し。

 

弾いてみて初めて、

聞いていただけの時に、

リズムや小節の区切りを

誤解していた部分があったことに

気付きました。

 

次に左手を弾いてみました。

 

なんと雄弁な左手!!!

左手だけで美しい曲が成立している上、

右手のメロディーを誘ってくれる。

 

しかも、なんとも予期し難い

巧妙なアルペジオ。

 

スクリャービンの前奏曲の、

弾きづらい左手にヒイヒイ言っているのに、

それよりも長く続く。

 

バラード1番なら、

箸休め的な箇所も散見されますが、

 

このノクターンの左手は

休みなく、

ずっと気を張らないと弾けなさそう。

無意識で弾けるようになる日は来るのか。

 

今は、

弾けるようになることも、

暗譜できるようになることも、

全く考えられないです。

 

ショパンが

ノクターン8番を作曲しはじめたのが、

1833年頃(完成1835年)。

ノクターン16番は1843年。

 

まだまだこの曲の

表面的なことも分かっていないけれど、

それでも、

 

この間10年の、

ショパンの作曲家としての熟成と洗練

伺い知ることができました。

 

美しく、よく練られた左手に、

惚れ込んでしまいました。

 

疲れている日は、

曲によっては、

片手練習中に飽きて

眠ってしまうことがありますが、

この曲についてはその心配はなさそうです。

 

半袖を着る頃には、

練習会、弾き合い会で

つっかかりながらも

弾けるようになることが目標ですが、

どうかしら。

 

先生は、

来年後半のコンクール曲に、

とおっしゃったけれど、

とてもとても。。。

 

ショパンの後期を作品を練習するのは、

ほぼ初めてなので、

よい勉強の機会になりそうです。

 

この曲は、

ショパンが弟子のスターリング嬢に

献呈したもの。

 

スターリング嬢と言えば、

平野啓一郎さん著の長編小説”葬送”では、

 

ショパンの生活を献身的に支援していた、

有り余る熱意と愛情があるものの、

冷静さや思慮深さに欠けた女性として

少々鬱陶しい存在として書かれています。

 

一方、

スターリング嬢について調べてみると、

 

ショパンから信頼を得ている弟子の

1人であったり、

ショパンの遺品の管理に貢献し、

ショパン博物館開設に大切な存在だったなど、

 

生前、死後のショパンにとって、

欠かせない存在の方だったようです。

 

ノクターンは

このようなサロンに合うと思う。

 

素敵な皆様、

佳き日となりますよう。