今日は、品川区の
庁舎建て替え計画について書きます。
まともにやれば
数百億円の大プロジェクト。
区庁舎は区民みんなの財産なので、
もっともっと多くの方々の
声と思いを反映した
計画策定になってほしいと思います。
まずは計画の経緯と現状を
知っていただきたいので、
基本事項をおさらいします。
①いつごろ話が出たの?
②どこにつくるの?
③なぜ建て替えるの?
④いつごろできるの?
⑤いくらかかるの?
⑥跡地はどうするの?
客観情報を心がけますが、
私のコメントも時々混じります。
1 いつごろ話が出たの?
本年度に設けられた
庁舎機能検討会の説明資料を
見てみましょう。
2年前の平成30年7月、
JR東日本とのまちづくり協定締結が
スタートラインとなっています。
広町地区のまちづくりとは、
JR大井町駅と品川区役所の間にある
JR東日本の広大な土地の開発。
その全容は公開されていませんが、
品川区も土地の一部を所有しており、
開発の当事者です。
協定の数か月後に
庁舎改築を含めた検討を進めることが
区議会行財政改革委員会に報告され、
さらに昨年の委員会では、
JR広町地区を含む4案が
移転先候補として示されます。
その日のうちに、
広町案が妥当とされます。
今年に入って、
職員によるプロジェクトチームと、
学識経験者や公募区民も加わった
庁舎機能検討委員会が
スタートしました(←いまここ)。
2 どこにつくるの?
形式上決定されたわけではありませんが、
広町地区(下の図を見てね)の西側エリアを
新庁舎の建設候補地としています。
ここはJRの敷地ですが、
広町地区北東角にある区有地と
土地の交換が前提です。
下図右側「検討状況」で
エリア内にある太い点線は
新たな道路の計画。
広町地区は今は袋小路なので、
西側の区道とつながれば
土地の有効性が高まりますね。
そのためには現在の区庁舎が
「邪魔」になっているということでしょうか。
まずは老朽化が挙げられています。
本庁舎や議会棟、第3庁舎は
築50年以上が経過。
確かに老朽化は否めませんが、
耐震工事によって、
あと16年は使えることになっています。
第2庁舎・防災センターは
築26年。まだまだ使えます。
区は、以下のような理由も挙げています。
①~⑦とも、間違いではないけれど、
今に始まった話ではないんですようねえ。
4 いつ建て替えるの?
来年度から3年間で実施設計まで持っていき
2024年には着工…。
決まっていないことだらけの庁舎移転ですが、
スケジュールだけははっきり出されています。
庁内プロジェクトでは、
各課のアイディア募集さえ
うまく回っていなさそうですが…
5 いくらかかるの?
試算すら出ていません。
議会の質問にも答弁はありませんでした。
全く数字を示さないまま
4年後には着工予定って…。
区は新庁舎の床面積を
6万㎡程度を想定してるとのことなので、
200~300億円規模に
なるのではないかと思います。
例えば渋谷区では
旧区庁舎・公会堂の敷地の一部に
民間マンション建設の定期借地権を
設定して、その対価で
区庁舎と公会堂建て替え費用
約211億円をまかなったとのこと。
コロナで地域経済も
区民生活も窮地にあります。
来年度は大幅な税収減が見込まれ、
区の予算は10%シーリング、
学校改築を含む
各種工事の後ろ倒しも
視野に入ってきました。
もし新庁舎の計画を進めるなら、
品川区も財政負担の少ない方法を
模索する必要があると思います。
6 跡地はどうするの?
移転新築後は
現庁舎の跡地はどうなるのでしょうか。
「にぎわい施設」として
アリーナの建設という話が
漏れ聞こえてきます。
公共施設のトリアージが
日本社会の課題となる中
持続可能な自治体運営のために
真に必要な公共施設とは何か
目先の利害にとらわれることなく
考える必要があると思います。
区庁舎は区民みんなの財産です。
多くの住民の方々の
お声をお寄せいただければと思います。