猛暑のなか、加山雄三の活躍がすこぶる目立つ。海好きの夏男のせい?もちろんそれもあるが、ことし4月11日、めでたく満77歳、喜寿を迎え、コンサート、レコーディングその他もろもろの活動にいつもの夏より力(リキ)が入っているからではないか。

 

  加山のスター歴は軽く50年を数える。

 

 映画初出演は1960年の『男対男』で、のっけから三船敏郎、池部良ら大スターのなかに混ぜてもらうという好遇ぶりだった。翌61年、『大学の若大将』が大爆発し、”なになにの若大将”とシリーズ化されたことはご存知の通り。

 

 1965年、自ら作曲した「君といつまでも」で歌手デビュウしたときの新鮮なイメージは、ちょっと例がない。恰好つけないカッコよさ、あくまでも自然体のカッコよさが、声に歌いぶりにあふれ出ていた。

 

 ところで加山の作曲家としてのペンネームは、ご存知のように弾厚作である。本人が明言していることだが、弾は團伊玖磨の團、厚作は山田耕作の耕作に拠っている。

 

 山田先生のほうが先輩だが、おふたりは日本近現代音楽史上に名を残す大作曲家ですよ。恐れもせずテレもせず、両大先生にあやかろうとするあたり、持って生まれた天真爛漫さとでも申しましょうか。

 

 今、私がなにはさて措いても駆けつけたいと思っているのは、8月23日におこなわれる<加山雄三LIVEin 日本武道館>である。彼のスター人生のすべてを賭けた壮大なステージが繰り広げられること間違いなしだから。

 

 このコンサートではこれまでの単独公演を遥かに上回わる曲数を歌いまくることになるという。いったい何曲歌うつもり?

 

 公演に先立ち、当日と同じ曲順曲数という触れ込みのアルバムが、8月6日に発売になると聞いたので、早々に入手したところ、これがなんとCD3枚組みで、合計45曲も入っているんですよ。もちろん、弾厚作の作品がずらり並んでいるし、英語で歌われる曲もある。インストゥルメンタルもある。音源はすべてオリジナル録音に拠っているそうだ。

 

 今やっと通しで3枚聴き終えたところだが、「光進丸」に始まり「Dreamer~夢に向かっていま~」で終わる流れは、実にスムーズだし十分な満足感も味わえる。

 

 それにしてもライヴの前に同様の構成の3枚に及ぶアルバムをリリースするとは、随分思い切った手に出たものだ。よーし、こうなったら、こっちも繰り返し聴いて、構成、曲目すべてを頭と胸に叩き込んで、当日、会場に臨むとしよう。

 

 肝心のそのアルバムのタイトルは、かなり長めで、『加山雄三若大将EXPO~夢に向かって いま~ソング・ライブラリー』(ドリーミュージック)と言います。

 

 

              これがCD3枚組アルバムです。


   若大将は白のスーツがよく似合う。