盛大だった宝塚のパーティー ~ 寂聴尼のスピーチ、リーヴァイのピアノ ~    | 安倍寧オフィシャルブログ「好奇心をポケットに入れて」Powered by Ameba

盛大だった宝塚のパーティー ~ 寂聴尼のスピーチ、リーヴァイのピアノ ~   

 4月5日、宝塚大劇場での「宝塚歌劇100周年記念式典-虹の橋 渡りつづけて-」に引き続き、宝塚ホテルに場所を移し、盛大な祝賀パーティーがおこなわれた。

 出席者800名を超える大パーティーで、会場で会おうねと約束していた安蘭けい、大空祐飛とも会えず仕舞い。残念でした。

「お久しぶりです、古城都です」
 昔なじみの彼女が声をかけてくれる。とっさに当たり役だった「オクラホマ!」のジャッドを思い出した。宝塚版ブロードウェイ・ミュージカルだったら「ウエストサイド物語」初演でトニーを演じている。昨年2月、夫君の本郷功次郎を亡くしているが、この日は元気そうに見えたので安心した。

 古城都のようにトップスターを張った人は、退団していくら歳月がたってもスターらしさを失っていない。スカッしたたたずまいは現役当時のままだった。

 今回の祝典大合唱曲「虹の橋 渡りつづけて」の作詞者、瀬戸内寂聴さんがマイクの前に立つ。郷里の徳島からよく大劇場を訪れたという。まだ県立徳島高女の生徒だったころのことだ。

「学校ではお芝居、映画を見ることは禁止されていましたが、どうしてか宝塚だけは許されていました」

 御歳91歳の寂聴尼が宝塚歌劇100周年の祝賀歌を作詞し、祝賀パーティーで挨拶に立つ――。年輪の重みを感じないではいられない。

「エリザベート」の作曲家シルヴェスタ・リーヴァイが、ウィーンから駆けつけ、このヒット・ミュージカルの主な楽曲をピアノ演奏で披露した。なんとも贅沢な趣向である。会場の誰もがお喋りをストップし聴き入っていた。

 このパーティーの司会者は鳳蘭だった。これだけ大規模でにぎやかな祝賀パーティーともなると、彼女くらいのヴェテラン・スターでなくては務まらないかもしれない。よく通る声、歯切れのいい言葉遣い、しかも司会者という立ち場を心得てか、かなり控えめに振る舞っていた。

 一緒に彼女の司会ぶりを見ていた「ベルサイユのばら」の作・演出者植田伸爾氏に、
「ツレちゃんがこんなに司会がうまいとは!」とつい話かけてしまう。

 巨匠曰く、
「彼女、頭がいいんですよ」

 この日、私は気がついたら赤でも白でもなくロゼ・ワインしか飲んでいなかった。私の潜在意識のどこかに宝塚と薔薇や薔薇色はよく似合うという思いがあり、ついついロゼのグラスを重ねることになったのだろうか。

 今いちど、心から宝塚歌劇団創立100周年に祝意を表したいので、これから100ぺん、「おめでとう」と大声で叫ぶことにいたします。


スピーチする瀬戸内寂聴尼。




司会の鳳蘭さん。いつになく真面目に見えました。




久しぶりに古城都さんと。ふたりとも蝶ネクタイです。