足フェチの神髄を描く映画「ファイアbyルブタン」 | 安倍寧オフィシャルブログ「好奇心をポケットに入れて」Powered by Ameba

足フェチの神髄を描く映画「ファイアbyルブタン」

 私のような凡人には思いも及ばないが、美女は足で作られるものらしい。女性が美しく見えるか見えないかは足次第。そこで俄然、靴の存在が重要な意味を持って来る。

 妖精のようなオードリー・ヘップバーンとフェラガモの関係はその代表的な例証かもしれない。

 オードリーとフェラガモの何百倍も危険な?に関係にあるのが、<クレージーホース・パリ>の裸の美女たちとクリスチャン・ルブタンの関係である。今、世界一の靴デザイナーと言われるルブタンが、これまた裸体美ということでは世界一のこの店のヌード・ダンサーたちをより輝かせようと、初めてショウの演出に手を染めた。

 それが、2012年、クレージーホースに招かれ演出した「FEU」である。靴のデザインがルブタン自身であることは言うに及ばず、音楽が鬼才デイヴィド・リンチなのも見逃せない。

 このショウはパリで80日間しか上演されなかったが、幸い映画にしてくれた。しかも3Dで。映画「ファイアbyルブタン」(監督:ブルノ・ユラン)を見ると、八頭身の裸女と3Dの相性のよさがよくわかる。

 もっとも、このドキュメンタリー映画の主人公はあくまでルブタンその人である。彼が細心の注意を払って美女たちのために靴を作ってやる姿が、実に克明に描きだされる。
わが身を投げ出し、美女に奉仕するその姿は痛ましくもあり神々しくもある。

 ルブタンは美神たちへの無償の奉仕者、いやそんな言い方ではもの足りない、ずばり申うせば女性の足フェティシズム教祖そのものである。

 クレージーホースのヌード・ダンサーたちは、容姿、体型すべての点で世界第一級の美女群と言っても偽りない。しかもバレエをみっちり仕込まれている。静的にも動的にも裸の女体美の極致をたっぷり味わわせてくれる。

 これぞ眼福!

 このパリ名物のショウを題材にしたドキュメンタリー映画では「クレイジーホース・パリ夜の宝石たち」という先行作品があり、DVDも出ている。こちらは入門編。「ファイアbyルブタン」は上級編で一段とひねりが利いている。


映画の一場面です。