50~60年代のアメリカ最大のスターは、リベラーチェ(1919~87)かもしれない。全盛期、彼のテレビ番組は219局にネットされ、ラスベガスのショウはどんなスターより高いギャラをとったと言われる。
私は、この型破りのエンターテイナーについて名前くらいしか知らなかった。今回、マイケル・ダグラス主演の伝記映画『恋するリベラーチェ』を見て、こいつがいかにいい意味でも悪い意味でもとんでもない奴だということが、よくわかった。
少しでもショウ・ビジネスに興味のある人、必見です。
リベラーチェって、いったいどんな芸人だったのか。
誤解を恐れずに言う。彼は神がかり的にピアノが達者な“美輪明宏”だった。
芸の中心はピアノ演奏で、誰もが知っているポピュラー曲にクラシック風のカデンツァをまぶし、客席を興奮と熱狂の渦に巻き込んだ。
毛皮の帽子、金ピカのスーツ、ピアノの上のけばけばしい燭台がトレードマークだった。堂々たる悪趣味?
演奏、衣装、演出(たとえばロールスロイスで舞台に登場する)、すべてが過剰だったが、それが中年女性層を中心とするファンにやたらと受けた。
口調、ジェスチャーも女性的ないし中性的だった。まだアメリカを支配していたマッチョ的なるものとすべて対照的で、それがまたリベラーチェの売りでもあったのだ。
さて、映画『恋するリベラーチェ』(監督スティーヴン・ソダーバーグ)である。実在した恋人スコット・ソーソン(マット・デイモン)との一目惚れから、嫉妬、憎悪の果ての別れ、束の間の修復まで、ふたりの愛のすべてが描き出される。
ふたりが美容整形をし合うくだりなど、ただ唖然とするしかない。
特筆、賞讃したいのはダグラス、デイモンふたりの文字通りのリアルな演技である。ベッドシーンの生々しさなど、第一級スターがよくぞここまでとわが目を疑いたくなるくらいだ。
リベラーチェの時代、同性愛のカミングアウトは社会的に許されぬ行為だった。彼自身、生涯、同性愛者であることを否定し続けたという。
映画は、ソーソンがリベラーチェの死後、彼の恋の顛末を綴った伝記『Behind the Candelabra(燭台の陰に)』に基づいている。11月1日公開。
(こちらの映画の情報は、こちらからどうぞ)
https://www.facebook.com/liberace.jp
私は、この型破りのエンターテイナーについて名前くらいしか知らなかった。今回、マイケル・ダグラス主演の伝記映画『恋するリベラーチェ』を見て、こいつがいかにいい意味でも悪い意味でもとんでもない奴だということが、よくわかった。
少しでもショウ・ビジネスに興味のある人、必見です。
リベラーチェって、いったいどんな芸人だったのか。
誤解を恐れずに言う。彼は神がかり的にピアノが達者な“美輪明宏”だった。
芸の中心はピアノ演奏で、誰もが知っているポピュラー曲にクラシック風のカデンツァをまぶし、客席を興奮と熱狂の渦に巻き込んだ。
毛皮の帽子、金ピカのスーツ、ピアノの上のけばけばしい燭台がトレードマークだった。堂々たる悪趣味?
演奏、衣装、演出(たとえばロールスロイスで舞台に登場する)、すべてが過剰だったが、それが中年女性層を中心とするファンにやたらと受けた。
口調、ジェスチャーも女性的ないし中性的だった。まだアメリカを支配していたマッチョ的なるものとすべて対照的で、それがまたリベラーチェの売りでもあったのだ。
さて、映画『恋するリベラーチェ』(監督スティーヴン・ソダーバーグ)である。実在した恋人スコット・ソーソン(マット・デイモン)との一目惚れから、嫉妬、憎悪の果ての別れ、束の間の修復まで、ふたりの愛のすべてが描き出される。
ふたりが美容整形をし合うくだりなど、ただ唖然とするしかない。
特筆、賞讃したいのはダグラス、デイモンふたりの文字通りのリアルな演技である。ベッドシーンの生々しさなど、第一級スターがよくぞここまでとわが目を疑いたくなるくらいだ。
リベラーチェの時代、同性愛のカミングアウトは社会的に許されぬ行為だった。彼自身、生涯、同性愛者であることを否定し続けたという。
映画は、ソーソンがリベラーチェの死後、彼の恋の顛末を綴った伝記『Behind the Candelabra(燭台の陰に)』に基づいている。11月1日公開。
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