1931年2月8日生まれだから、もし健在だったら、ことし、ちょうど80歳である。

 55年9月30日、カリフォルニア州パソ・ローブルで愛車ポルシェ・スパイダーを猛スピードで運転中、対抗車と正面衝突し、呆気なくこの世とおさらばした。

 24歳の若さだった。残した映画わずか7本。うち3本、すなわち『エデンの東』『理由なき反抗』『ジャイアンツ』で永遠にその名をとどめる。

 若者特有の壊れやすい繊細さとおとなへの不敵な反抗心がからだ全体から滲み出ていた。

 『ジェームズ・ディーン写真集 Shine of Life-命、煌いて』(日之出出版)は、この青年俳優の全貌を余すところなく捉えた希有の写真集である。

 全部で103点、親交のあった写真家サンフォード・ロスが、死の直前の85日間、密着同行して捉えたさまざまな瞬間が、見事モノクロの画面に定着している。

 カウボーイ姿あり、燕尾服のいでたちあり、卓球に興じているかと思えば酔いつぶれているといった具合。

 ディーンはこんな言葉を残している。

 「俳優は人生を解釈しなくてはならない。そのために人生におけるありとあらゆる経験を進んで受け入れなくてはならない。」

 さすが天性の俳優、演技についてここまで考え抜いていたとは!


写真集の表紙です。
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