アイビー・ファッションの元祖、石津謙介さん生誕100年
石津謙介(1911~2005)。ファッション・ブランドVAN創設者、服飾デザイナー、服飾評論家。そしてなにより1960~70年代、アイビー・ファッションを世に広めた人物として名高い。
その石津さんの『生誕100年展』を覗いてみた。(ギャラリー山陽堂、10月31日まで)
立木義浩氏、操上和美氏ら一流写真家の撮った石津さんのポートレートを眺め、改めて石津さん自身、絵になる人だなと感じ入った。
堂々たる押し出し、それでいながらやさしい人柄が感じられる。見るからに立派で上等な人物である。
石津さんがアイビー・ルックを持ち込むまで大半の日本男性はお洒落と縁が遠かった。
紺のブレザー・ジャケット、ボタンダウンのワイシャツ、斜めストライプのレジメンタル・タイ。当時の若者はこぞって飛びついたものだ。
なにを隠そう、私もアイビー教信者のひとりだった。
場内にこんな石津語録が掲げられてあった。
「石津流ダンディズムとは、独りよがりとうぬぼれと、やせ我慢である。」
石津さんは、ファッション・リーダーでありながら、世の中が特定のファッションに塗りつぶされることを、かならずしも好まなかったようだ。
昔、石津さんが私にこう云ったのが忘れられない。
「日本のサラリーマンが着ているスーツね、独特の色合いなんだ。黒でも紺でもない。鯖色というのかな。鮮明な色じゃないんだね。パリのシャンゼリゼなんかでね、そういうスーツを着た集団が向こうからやって来ると、異様な感じがして、すぐに日本人だとわかるんだよ。」
石津さんはその手の日本男性ファッションを根本から変えたかったのだろう。
日本の男性ファッションは、とくに若い世代を中心に大きく変化した。天国で石津さんは大いに喜んでおられるにちがいない。
http://sanyodo-shoten.co.jp/gallery/
その石津さんの『生誕100年展』を覗いてみた。(ギャラリー山陽堂、10月31日まで)
立木義浩氏、操上和美氏ら一流写真家の撮った石津さんのポートレートを眺め、改めて石津さん自身、絵になる人だなと感じ入った。
堂々たる押し出し、それでいながらやさしい人柄が感じられる。見るからに立派で上等な人物である。
石津さんがアイビー・ルックを持ち込むまで大半の日本男性はお洒落と縁が遠かった。
紺のブレザー・ジャケット、ボタンダウンのワイシャツ、斜めストライプのレジメンタル・タイ。当時の若者はこぞって飛びついたものだ。
なにを隠そう、私もアイビー教信者のひとりだった。
場内にこんな石津語録が掲げられてあった。
「石津流ダンディズムとは、独りよがりとうぬぼれと、やせ我慢である。」
石津さんは、ファッション・リーダーでありながら、世の中が特定のファッションに塗りつぶされることを、かならずしも好まなかったようだ。
昔、石津さんが私にこう云ったのが忘れられない。
「日本のサラリーマンが着ているスーツね、独特の色合いなんだ。黒でも紺でもない。鯖色というのかな。鮮明な色じゃないんだね。パリのシャンゼリゼなんかでね、そういうスーツを着た集団が向こうからやって来ると、異様な感じがして、すぐに日本人だとわかるんだよ。」
石津さんはその手の日本男性ファッションを根本から変えたかったのだろう。
日本の男性ファッションは、とくに若い世代を中心に大きく変化した。天国で石津さんは大いに喜んでおられるにちがいない。
http://sanyodo-shoten.co.jp/gallery/