きのうに引き続き『オペラ座の怪人 at the ロイヤル・アルバート・ホール』について。

 ミュージカルの本編自体(オリジナルの舞台を踏まえながら、クラシックの殿堂にふさわしいグレードアップも随所に見られる)も豪華絢爛だが、30分に及ぶカーテンコールが、こたえられないくらい楽しいし、興趣尽きない。

 まず司会がなんと作曲者のアンドリュー=ロイド・ウェバー自身。

 晴れの舞台なのに、ジャケットなしの紫色のシャツとは!裏返しのおしゃれ?きょうも裏方ですよというアピール?

 ロンドン初演時のオリジナル・キャスト、怪人役マイケル・クロフォード、クリスティーヌ役サラ・ブライトマンも舞台に呼び込まれる。

 ふたりは、歴代の怪人役者やこの日の主役たちを混じえ、主題曲を声高らかに歌い上げた。

 フルコースのご馳走のラストの、贅を尽くしたデザートである。

 ロイド=ウェバーは、サラ・ブライトマンを「私の“音楽の天使”」と目いっぱい持ち上げていたが、彼女と恋に落ちなかったら、間違いなく彼の頭にこのミュージカルの曲想は思い浮かばなかっただろう。

 ロンドン初演から25年の間に、ふたりは結婚し、離婚もし、ロイド=ウェバーはほかの女性と三度目の再婚をした。

 ロイド=ウェバーは、『オペラ座の怪人』の共同プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュとは、その後いっしょの仕事はなかったが、この25周年記念イヴェントではキャメロンが総指揮をとった。

 この映像を見ていると、私はつくづく「恩讐の彼方」という言葉を思い出さずにいられない。


左から3人目サラ・ブライトマン、4人目ロイド=ウェバー、
右から2人目キャメロン・マッキントッシュ。
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Photo c Getty Images

左からブライトマン、マイケル・クロフォード、
当日の主役ふたりシエラ・ボーゲス(クリスティーヌ)とラミン・カリムルー(怪人)
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Photo c Dan Wooller