ミュージカル『オペラ座の怪人』には、まずロンドンから始まった舞台がある。映画化もされた。そして今回は25周年記念公演のLive Viewing。

 三者三様。しかし“旬”の魅力ということではライヴ・ヴューイングが見逃せない。

 去る10月1~2日、たった3回だけ特別公演がおこなわれたのだが、そのステージを丸ごと収録し、映画館の大スクリーンで見られるようにしたのが、『オペラ座の怪人 at the ロイヤル・アルバート・ホール』である。

 音響がすぐれている音楽専門の会場に、大編成のシンフォニック・オーケストラをどっしりと据えたから、音楽の鳴り方がまったく違う。

 作曲したロイド=ウェバーさんは、もともとこういう豪華な音楽を響かせたかったのかと納得しつつ、夢見心地をさ迷うことになる。

 怪人、恋敵ラウル子爵、歌姫クリスティーヌの主役3人初めオール・キャスト、今一番油の乗っている面々がとりそろえられている。

 彼らが競うようにホール一杯響けとばかり歌い上げる。圧倒的な迫力に気圧され、ただ陶然となるのみ。

 劇場版を上回る出演者の人数の多さにも唖然となった。

 最大の主役?天井から客席に落下するシャンデリアは、映画でも使われたスワロフスキー特製のもの。2万個のクリスタルの集合体だという。

 そのきらめきとロイド=ウェバーの絢爛たる音楽とが相呼応する有様に、改めて目を見張り耳を澄ませた。

 TOHOシネマズ スカラ座他で10月21~27日。


http://www.tohotheater.jp/


怪人役のラミン・カリムルー。
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あっと驚く豪華な舞台。
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Photo c ALASTAIR MUIR.