きのうに引き続き『トニー・ベネット デュエット』(ソニー・ミュージック)について。

 トニーは、このアルバムで老若男女色とりどりの歌手を相手にあの手この手の二重唱を聴かせてくれる。

 まず声と歌唱に色艶がある。85歳まで伊達に生きてきたのではないよという渋味が漂う。

 いや一種の凄味か。

 第1曲目、レディー・ガガとの「ザ・レディ・イズ・ア・トランプ」から快調に飛ばしている。Ladyの語呂合わせがうまくいったせいかな。

 トニーの鍛え抜かれた歌唱力は、誰が相手でも決してぶれない。シェリル・クロウ、ノラ・ジョーンズ、マライア・キャリー、、、、全員がホストにうまく乗せられ、いい気持ちで歌っている情景が目に見えるよう。

 どれも捨て難いが、私は、あえて若手ではないカントリーの超ヴェテラン、ウィリー・ネルソンとの「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」に1票投じたい。

 老練同士ならではの深い味わいに、なんど聴いても惚れ惚れとさせられるからだ。

 選ばれた曲目は有名スタンダード曲ばかりで、アメリカン・ソング・ブックの趣がある。これが嬉しい。

 バーボン・ソーダ片手に気楽に聞き流すもよし。

 歌詞とにらめっこしながら、じっくり耳を澄ますのもまたよし。



http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/TonyBennett/
(トニーとガガの画像が見られます。)


デュエットするトニーとレディー・ガガ。
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