『レッドクリフ-愛-』に見るAKIRAの色気 | 安倍寧オフィシャルブログ「好奇心をポケットに入れて」Powered by Ameba

『レッドクリフ-愛-』に見るAKIRAの色気

 全身にみなぎる猛々しさ、そして、時折、頬と目もとに浮べる柔和な表情。劇団EXILE W-IMPACT『レッドクリフ-愛-』で孫権軍の知将、周瑜を演じるAKIRAには男しての香気さえ漂っていた。増殖する草食系男子とは対極の存在感に若い女の子たちがイチコロなのも無理はない。
 とくに愛する妻小喬(リン・チーリン)とのダンス場面に思わず目を見張った。肌と口唇を寄せ合わんばかりのふたりのダンスに愛する者同士の高揚感、それとは裏腹の哀しみが滲み出ていた。EXILEの公演で見せるヒップホップ系ダンスとは異なる、もっとずっと洗練されたデュエットに彼の成長、あるいは別の一面を見た。振付藤村美沙。
 リン・チーリンは立ち姿が美しく、日本語の科白にも違和感がない。
 舞台全般は、「三國志」に基づくジョン・ウー監督渾身の二部作『レッドクリフ』を巧妙になぞったもの、とでもいったらいいだろうか。見ていておのずと映画の名場面が次々二重映しとなる。
 私の見立ては、映像、音楽、ダンス、殺陣などをテンポよく織り混ぜた戦国絵巻物レヴュウである。その分、科白劇としての濃密さに欠けるのは、まあ仕方ないか。曹操役で竹中直人が出ているが、AKIRAの強烈な個性に圧倒され影が薄い。脚本松村武、水橋文美江、演出岸谷五朗。8月19日、ル テアトル銀座にて所見。


劇団EXILE W-IMPACT公式HPより:
http://www.gekidan-exile.com/redcliff/

名コンビぶりのAKIRAとリン・チーリン
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同じくリンとAKIRA
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