あゆは炸裂するダイナマイトだ。それも1本や2本の爆発力ではない。百本、いや千本、一万本束ねた強烈なパワーを発揮する。
私は完全にノックアウトを喰らった。『ayumi hamasaki~POWER of MUSIC~2011』は、彼女のスーパースターとしての魅力、実力を十二分に見せつけたスーパーステージということができる(7月23日、代々木競技場第1体育館)。
 恥ずかしながら私は、これまでなんどかの彼女のコンサートに足を運んでも、自分自身と彼女を同化させることができなかった。年齢、音楽の嗜好性からいって当然である。彼女の持ち歌を知り尽くしているわけではないから、同化のすべがないという事情もあった。
 しかし、今回はまったく違った。1曲目の「forgiveness」からその骨太できめこまやかな歌唱力のとりこになってしまった。歌一本で突き進むわよという決意が、彼女の声とからだ全体からほとばしり出ていたからだ。
 いつもの作り込まれた映像、豪華な舞台装置はなく、衣装も白を基調にしシンプルさに徹した。それらの不足分を補うかのようなオーケストラ・サウンズを充実させた点も見逃してはなるまい。
 しかし、なによりそのパワーが全開するのは、徐々に満員の客席を自分のステージに巻き込んでいくそのプロセスにおいてだろう。
気がついたら私たちは大声で叫び、手拍子を打っている。まんまと敵の術中にはまってしまっていた。まるで彼女の立ち居振る舞いは巫女のよう。
 そうだ、浜崎あゆみは現代の巫女だ、ダイナマイトの束を抱えた巫女なのだ。


              巫女はなにを瞑想しているのか?
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公式HPより(ライブスケジュール):
http://www.avexnet.or.jp/ayu/jp/schedule/index.html