さようなら 大賀典雄さん | 安倍寧オフィシャルブログ「好奇心をポケットに入れて」Powered by Ameba

さようなら 大賀典雄さん

 モーツアルト「レクイエム」のような鎮魂曲だけでなく、聞いていると微笑を浮かべたくなるシュトラウス2世「こうもり」序曲も演奏されたのがかえってよかったのではないか。欧米の著名人の“お別れ会”では追悼のスピーチのなかに、故人にちなんだジョークが結構あったりしますからね。
 きのう6月23日、東京文化会館でおこなわれたもとソニー社長、会長、故大賀典雄氏(4月23日、没。享年81歳)の音楽葬は、オペラ歌手出身、指揮活動にも熱心だった故人にとてもよく似合っていたと思います。舞台で演奏する東京フィルハーモニー交響楽団(指揮大友直人)の両脇には大きなスクリーンが設けられていて、指揮棒を振る大賀さんの姿が映し出されると、両方が混ざり合い、今ここで大賀さんがコンダクターを務めているのではないか、そんな錯角さえ覚えてしまいました。
 深い親交があり、偶然その死を見とった世界的指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンと、大賀さんはまったく同じ81歳3ヶ月の生涯だったそうです。


         遺影3点、いちばん左はジェット機の操縦桿を握る大賀さん
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