クーデンホーフ=カレルギー光子(旧姓青山光子)という女性を知っていますか。
1974年(明治7年)生まれ、41年(昭和16年)没。東京牛込の骨董屋の三女で、92年、オーストリア=ハンガリー代理公使ハインリッヒ・クーデンホーフ=カレルギー伯爵と結婚、四男三女をなしました。ヨーロッパ男性と結婚した最初の日本女性でしょう。
 夫に従いヨーロッパに渡ってからは歴史・文化・習俗のギャップと悪戦苦闘したことは想像に難くありません。
 ミュージカル『MITSUKO~愛は国境を越えて~』(脚本・オリジナル作詞・演出小池修一郎、音楽フランク・ワイルドボーン)は、その光子の波瀾に富んだ一生を劇化した舞台です。しかし、ハインリッヒと光子の夫婦愛、あるいは葛藤がぜんぜん浮かび上がって来ない。タイトル・ロールの安蘭けいは「後を振り向かずに」などの主題曲を力唱しているのに。台本が光子にしぼらず、次男でヨーロッパ連合の理想を説いたリヒャルトに多くを割いているからです。『サウンド・オブ・ミュージック』『オペラ座の怪人』の場面を連想させる個所があって、微苦笑させられます。


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舞台で光子を演じる安蘭けい
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撮影:岸隆子

クーデンホーフ=カレルギー光子本人
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写真提供:Paneurope Suisse
Masumi Schmidt-Muraki