少し以前の舞台になるのですが、ちょっと面白い仕上がりだったのでとり上げました。
D-BOYSとシェイクスピア『ヴェニスの商人』、どこかミスマッチなんだけれど、そこが一種の売り、あるいは魅力かと思い、初日(4月29日、サンシャイン劇場)に見に出掛けた。
松岡和子さんの翻訳台本はこなれた現代日本語ではあるものの、シェイクスピアのハードルは決して低くない。D-BOYSの科白術・演技力では歯が立たず、高級学芸会レベルの個所もないわけではなかった。
長所は、現代に巧みに移し替えた青木豪の演出がとても自然体だったこと。その舞台をシェイクスピアとはほとんど無縁な若い女性客が、無理なく受け入れていたのが嬉しかった。
それと『ヴェニスの商人』というと、ユダヤ人の金貸しシャイロック中心になりがちなところを、若い恋人たちバサーニオ(加治将樹)、アントーニオ(和田正人)、ポーシャ(碓井将大)らの若者のドラマに仕立て直したところが、とても新鮮に映った。
時代が変わればシェイクスピア劇も変わる!
http://www.d-boys.com/d-boysstage2011/venice/index.html
D-BOYS「ヴェニスの商人」の舞台より