三谷甲才『警察物語』(警察史を読む-25)国宝盗難事件の項を非常に興味深く読んだ。著者は大阪府警を退職してから書いているが、在日朝鮮人の犯した国宝盗難事件を淡々と描いている。 朝ドラの新潟での朝鮮人犯罪事件の描き方に違和感を覚えているが、この時代、金時鐘が日本へ密入国して来た年、昭和24年は朝鮮人犯罪が多発していた。 金時鐘と同じく済州島からの青年たちが大阪で犯した国宝盗難事件である。彼らは食べるに必死だったのだ。だが、何で、どうして国宝を盗んだのか? 面白い回顧談である。