滝川義人「無知と偏見」(『みるとす』を読む-10) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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6月号で滝川義人がきつく『朝日新聞』と『毎日新聞』のガザ侵攻を批判する論調を取り上げている。

『朝日新聞』は、「かつて1938年の犠牲者であったユダヤ人が、今日加害者となり、”パレスチナ人人はジェノサイドの重大なリスクにさらされている”と嘆いた」

米政府のイスラエルはジェノサイドではないと発表ると、『毎日新聞』は「”ジェノサイドではない”。であれば、まだ許されるというのか。”国際人道法には則していない”。だがら、もっとうまくやれ、とでも言いいのか。」

これに対して滝川義人は、「最近は主流新聞が主導する形で、ジェノサイド云々でイスラエルを非難する手口が使われるようになった。危険な兆候である」と断罪する。

日本は、3月10日の東京の下町大空襲、ヒロシマ、ナガサキを常に想起する。あれは非戦闘員へのジェノサイドではなかったのか。常に問いたい気持ちが日本人ならだれも思う。

ただし日本を代表する新聞も、ガザとオキナワを比べる記事が無かった。ガザの戦闘は沖縄戦に酷似していないか。沖縄戦に比べれば犠牲者はガザの方が圧倒的に少ないが。

『朝日新聞』も『毎日新聞』もイスラエルを非難する前に、米国を批判すべきであった。イスラエルは生き残りを賭けて必死なのだ。