『機械技術』(朝鮮研究-194) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

安部南牛 | 朝鮮文化資料室

安部南牛が、朝鮮関係の本の書評を中心に掲載していくブログです。

『日本科学技術史大系』の18巻である。1966年刊行、78年頃から東京工業試験所の80年史編纂委員に就いたので、70年代後半になると技術史に目を向けるようになっていた。それで『機械技術』の18巻には目を通していたので、金正日の行うマスゲームから『労働新聞』紙でのCNCに就いての報道に理解できた。むろん、日朝貿易会の田中喜代彦が話す北朝鮮の機械工業に就いて、一知半解だが着いて行けた。

現代コリア研究所の佐藤勝巳・西岡力師弟から距離を置かれても平気であった。北のスパイ扱いされたのは困惑した。

技術史から北朝鮮を眺めていたことになる。今日のプーチン訪朝を観察する過程で、書庫からこの本を取り出した。

青山学院大学の木村光彦教授のロ朝関係を論じた別刷りを読むに欠かせない。むろん、科協の誰が北朝鮮へ渡ったか?菊池嘉晃君の「帰国事業」に関わる調査研究に欠いているのは、引用文献に『日本科学技術史大系』などが、一冊も出て来ない処であろう。