『兵庫県警察史』(警察史を読む-21) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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安部南牛が、朝鮮関係の本の書評を中心に掲載していくブログです。

大阪の馴染みの古書店から送られてきた。誰か購入希望者出たら売りたい。理由は、

1、複数所持している。

2、宮本百合子の『播州平野』を批評するに欠かせない参考文献である。

3、徴用工未払い賃金問題を追及する引用文献となる。

である。もっと深読みすると菊池嘉晃著『北朝鮮帰国事業の研究』に欠けている基本文献になることである。むろん、近く深堀するが菊池嘉晃君の研究の最大の弱点となっているのは、神奈川、大阪、兵庫、山口、福岡の警察史を引用文献に挙げることも出来なかったことである。そこを近々、論及するが胥吏の記録抜きの近現代史叙述には穴が付き纏う。

梶村秀樹が日本朝鮮研究所から去る、佐藤勝巳との袂を分かつ切っ掛けは、胥吏の記録の採り扱いを巡ってであった。梶村秀樹一派が去った日本朝鮮研究所を訪ねた南牛に、朝鮮問題を研究するには、神奈川、大阪、兵庫、山口、福岡の5府県の警察の動向調査が鍵になると述べてくれた。