男子の本懐なり(つくば市政展望-358) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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谷田部町長選の出陣式に県政会のドンこと山口武平県議は横田美農夫候補の会場に顔を出した。それは当然の行為である。なんと言っても水海道第一高校卒の横田美農夫候補に対し、山口武平県議は旧制水海道中学校を卒業している。先輩なのだ。木村操候補は谷田部農高、野村文雄候補は土浦一高卒だった。

出陣式の模様は直ぐに竹内藤男県知事の耳に入る。シロイ木村操候補の出陣式よりも盛大だったという情報に、苦虫を噛んだ顔をする。

竹内藤男県知事は、山口武平の顔を見掛けるや、「男子の本懐は鉄道を引くことでしょう」と、語り懸ける。山口武平県議は、はっとする。山口武平県議は郷土に鉄道を引くことに政治家人生を賭けていた。竹内県知事のささやきは、第二常磐線、常磐新線の敷設のカギを竹内県知事が握っている、と直感させる。山口武平県議の横田美農夫候補支援に歯止めが掛かる。

既に、第二常磐線の敷設する路線図はあれこれ言われていた。明治以来の政治家は鉄道を曲げることに情熱を賭けてきた。大野伴睦など駅前に銅像が立っている。我田引鉄こそ男子の本懐だと竹内陸軍主計中尉は海軍整備中尉に説いたのである。

県議生活50年、山口武平県議は見果てぬ夢、岩井の地に鉄道を引くことは適わなかった。