肥前の人である。科協三代目の申在均会長は、野副伸一教授を、東満の地で金日成部隊を追いつめた野副将軍の縁者だろうと信じていた。野副伸一教授はNK会の会計幹事であった。晩年、病床を訪れ、その間の思い出話を聞かされた。カネのやりくりが上手かった方である。NK会は再開されているのだろうか？相変わらずの休眠状態ならば、優れた会計幹事が居ないせいなのであろうか。代表幹事を花房征夫氏が務めている間、野副伸一教授はずーっと会計幹事を務めていた。二人はアジア經濟研究所の同僚であった。同じ、玉城組に属し、梶村秀樹一派が退会し孤城化した日本朝鮮研究所の立て直しに参画している。玉城組の参加で日本朝鮮研究所は現代コリア研究所と改組され、30年は持っている。
朝鮮語を解さずに朝鮮問題に取り組むことができたのは、野副伸一教授のような人格者のアドバイスのお陰であった。
某大学の著名教授が間違い含む著作を刊行した時、その指摘を南牛は求められ、アジア大学の刊行物に寄稿した。某教授は、間違いを指摘されたその本を絶版にしている。絶版にした某教授も偉いが、間違いの指摘を南牛に求めた野副伸一教授も偉かった。