水島毅の名著である。副題が「密室のなかからの告発」とある。日共の否定的側面というか「反日」的言動を厳しく批判した水島毅の一連の著作は多くの人を引き付けた。
国際共産主義運動の欺瞞を昭和後期において終始一貫論じて来た水島毅の労作は危機迫るものがあった。
この本は昭和55年刊、この本の最後、終わりの言葉が宮本顕治の思想の底を突いている。
「さきの総選挙で、共産党に投票したものは野次馬もふくめ562万人もいます。それらの全部に『赤旗』を売りつけたら、500万部を超えます。それが革命への運動をやりながら太る『赤旗』商法です。この商法がつづくかぎり、宮本委員長は死ぬまでその地位を去ることはないようです。」
これで判ることは、宮本顕治の思想の根底が石門心学だったということである。それは「思想」に「利」を入れていることだ。