十手執り縄の(つくば市政展望-250) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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85年12月に沼尻民平町長が逮捕され、86年9月に町長選挙が行われるその間の10か月は、谷田部町の崩壊劇であった。谷田部城を守る、その一点で竹内藤男県知事に抗した沼尻民平町長の討ち死に的な終幕であった。

何しろ、沼尻民平町長の復権の動きには、沼尻民平町長の義兄宅、斎藤議員家の塀に猟銃が発砲される。町長派の有力議員宅は夜中に雨戸を揺さぶられる。或いは谷田部農委に押しかけられ、暴言を浴びせられる。思惑が交差し、疑心暗鬼が増幅する。どことなく茨城県警の捜査の動きが緩いように町民の目に写る。内務官僚出身の竹内藤男県知事の顔を思い浮かべる町民も出てくる。

尊父が谷田部町長を務めた宮本町議は町長選出馬の動きをする。飼い犬の首が傷つけられる。出馬辞退する。続いて岡野前助役が出馬表明する。両高野の推していた。夜中に自宅玄関内に灯油が撒かれる。身の危険を感じて出馬を断念すると表明する。宮本議員宅は四つ足門、岡野前助役宅も四つ足門であった。

十手執り縄の横田美農夫助役宅の裏庭に廃棄物の山を築かれる。十手執り縄の長屋門の遺風を誇る横田美農夫助役は、四つ足門の不出馬表明は逆に長屋門を持つ名門として出馬の意志を固めていく。

9月の選挙直前は、筑波山から魔風が吹きおろしていた。